天国の本屋〜恋火
(2004年 日本 111分)
2004年9月25日から10月1日まで上映 ■監督・脚本 篠原哲雄
■原作 松久淳/田中渉
■脚本 狗飼恭子
■出演 竹内結子/玉山鉄二/原田芳雄/香里奈/新井浩文/大倉孝二/斉藤陽一郎/かとうかずこ/あがた森魚/斉藤歩

(C)松竹

オーケストラをリストラされたピアニストの健太。心当たりはあった。ピアノを弾く意味を見失っていたのだ。ある時、彼は見覚えのない、でもなぜか懐かしい空気が流れる場所で目をさます。そこは天国の本屋。店長のヤマキと二人の店員がいる。健太は死んだわけではなく、短期アルバイトで、ここに連れてこられただけだという。

picここでの仕事は朗読。依頼された本を読んで聞かせるのだ。そこに翔子という女性が朗読の依頼にきた。健太が頼まれた本を開くと、そこには書きかけの音符があった。

その頃、地上では、商店街の活性化に奔走する青年会の香夏子が、花火大会の復活を計画していた。「その花火を一緒に見た男女は、深い仲になれる」という、町の長老に聞いた“恋する花火”の伝説に心を打たれたのだ。

しかし問題がひとつだけあった。その花火を作っていた瀧本が、ある事故がもとで花火師を辞めていた。花火が暴発し、恋人が片耳の聴力を失っていたのだ。なんとか瀧本を説得しようと、彼のもとを訪ねた香夏子。その姿を見た瀧本は、息をのむ…。

pic天国と地上のふたつの出会い。花火とピアノ。健太はなぜ、天国に連れてこられたのか?“恋する花火”の行方は?

原作は松久淳・田中渉によるベストセラー『天国の本屋』シリーズ。その第一作『天国の本屋』と第3作『恋火』を監督の篠原哲雄と、人気作家の狗飼恭子が脚本化。ふたつの小説を見事にひとつの感動的な物語として昇華させた。

(マコト)


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深呼吸の必要
(2004年 日本 123分)
pic 2004年9月25日から10月1日まで上映 ■監督 篠原哲雄
■脚本 長谷川康夫
■出演 香里奈/谷原章介/成宮寛貴/金子さやか/久遠さやか/長澤まさみ/大森南朋

(C)2004 SHINKOKYU associates

沖縄の離島。群青の空と海に囲まれた埠頭の桟橋に、5人の若者が降り立った。5人は、この島の“きび刈り隊募集”の告知に応募してきた者達で、互いに初対面だ。“きび刈り隊”とは、人手不足な農家のさとうきび収穫を手伝うアルバイト。滞在中、寝食を共にし、ひたすらきび刈りに没頭する。週休1日、雨でも風でも作業をしなければならない。

彼らを迎えるのは、平良夫妻と“きび刈り隊”の常連・田所豊。平良家の唯一の決まりは「言いたくない事は言わなくてもいい」。各メンバーが全く異なる個性と、言いたくない事情を抱えて、此処に来ていた。広大な畑を埋め尽くす約7万本のさとうきび。3月末日までに全てを収穫・納品できないと平良家の家計に影響が及ぶ。期日まであと35日。

そうこうしている内に、作業の辛さに耐えかねたメンバーが脱走を計る。結局戻ってきたものの、メンバー間には気まずさが残った。作業の方も期日まで2週間も無いのに、目標には程遠い状況だった。そんな矢先に大事件が起きる…。

この映画の主人公は、7人の若手俳優。次代のフィルムスターが揃ったといっても過言ではないだろう。彼らは役柄同様、昼は畑で働き、夜は食事をして寝るだけ、という日々を過ごしたという。

監督は、いまや日本映画界に無くてはならない映画作家のひとり、篠原哲雄監督。スクリーンでこそ映える俳優たちのエネルギーと、宮古島・沖永良部島の雄大な自然を融合させ、今までにない青春群像劇を完成させた。

(マコト)



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