バッファロー‘66
BUFFALO '66
(1998年 アメリカ 113分)
2004年5月8日か5月14日まで上映 ■監督・脚本・音楽・主演 ヴィンセント・ギャロ
■出演 クリスティーナ・リッチ

★本編はカラーです

(C)キネティック

1966年NY州バッファローに生まれたビリー・ブラウン(ヴィンセント・ギャロ演)。彼は5年ぶりに刑務所から釈放され、故郷に帰ることになる。

picところがビリーは両親に、この5年間のブランクを「結婚して、政府の仕事で遠くに行っていた」と嘘をつき、そのうえ両親の関心を引きたいあまり、母親への電話で「女房を連れて帰る」と約束してしまう。

思いあまった彼は通りすがりの女レイラ(クリスティーナ・リッチ演)を拉致し、両親の前で妻のふりをするよう脅迫するのだが…。

とにかく主演の2人が素晴らしい。クリスティーナ・リッチ演じるレイラの、じっと大きな目でブラウンの心の奥まで見抜いてしまうような、そうして寡黙にそっと寄り添いはじめる在り方に、涙ぐむような暖かさと救いを感じるし、ギャロ演じるブラウンの、愛情に対してとても不器用で臆病な姿は、まぬけでもあり、哀しくもあり、そしてとてつもなく愛おしい。

picバスキアとのバンド活動、画家、モデル、バイクレーサー等様々な分野で活躍するマルチな才能の持ち主であるギャロが、その才能の全てを結集させ、完成させた長編処女作が、この『バッファロー'66』である。

(カツオ)


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ブラウン・バニー
THE BROWN BUNNY
(2003年 アメリカ 90分 R-15
pic 2004年5月8日から5月14日まで上映 ■監督・製作・脚本・撮影・美術・編集・出演 ヴィンセント・ギャロ
■音楽 ゴードン・ライトフット
■出演 ヴィンセント・ギャロ/クロエ・セヴィ二ー

■2003年カンヌ国際映画祭パルムドールノミネート

★本編はカラーです

(C)キネティック

東海岸からカリフォルニアに向かうバイク・レーサーのバド。彼は道中で出会った女達を旅に誘うが、恋人デイジーとの愛の記憶を忘れらずにいた。

やがて旅の終わりにバドの切実な思いは頂点に達していくことに…

これほど、賛否両極端論が出た作品も珍しい。もっともこれは日本だけの話らしく、カンヌでは総スカン、ブーイングの嵐だったわけでアメリカでは公開すらされていない。

picしかし「ギャロの世界」、そのセンスは何かがある。どうしても併映作品の『バッファロー'66』と比べてしまいがちだが、全く異質の作品である。エンターティメント性はなく、あくまで心理描写的風景が続くが、映画という総合芸術の中、映像、音、色、光と影、そして、マシーンに至るまで全てギャロの息がかかっていて、それをどう捉えるかが楽しみの一つであることは確かである。

事実、カンヌで観客は、作品鑑賞から逃げることなくブーイングの嵐を巻き起こしたということは、そこに何かがあるとしか言いようが無いのではないか。

否論の方も散々否定しておきながら、最後に「…でも…」となってしまう不思議さ。

さァ!!「ヴィンセント・ギャロの世界」、あなたにも確かめていただきたいと思います。

(WING)



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