アラビアのロレンス
LAWRENCE OF ARABIA
(1963年 イギリス 227分)
2004年2月14日から2月20日まで上映 ■監督 デビット・リーン
■原作 T・E・ロレンス
■脚本 ロバート・ボルト
■音楽 モーリス・ジャール

■出演 ピーター・オトゥール/アレック・ギネス/アンソニー・クィン/ジャック・ホーキンス/ホセ・ファーラー/アンソニー・クェイル/オマー・シャリフ/クロード・レインズ/アーサー・ケネディ

■1962年アカデミー賞作品賞・監督賞・撮影賞(カラー)・作曲賞・美術監督賞(カラー)・音響賞・編集賞の7部門受賞、主演男優(ピーターオトゥール)・助演男優(オマー・シャリフ)ノミネートほか

★一本のみの上映です。この週にかぎりラスト割引がございませんのであらかじめご了承ください。

(C)ソニーピクチャーズ

まず、この作品を早稲田松竹で上映できることに感謝したい。

pic「ロレンス大佐、あなたを砂漠にひきつけているのは何です?」「清潔だからだ」

このセリフから、どのような『アラビアのロレンス』の人物像が感じられるだろう。ピーター・オトゥールがこの作品のためアラビアの砂漠に立ったときが28歳、そして1916年ロレンスが砂漠へやってきたときも同じ28歳だった。

pic映画史において余りにも見事にその役と俳優がマッチして、のちに他の俳優では想像さえできなくなってしまう「ハマリ役」というのがある。ヘプバーンとホリーゴライトリー、ビビアン・リーとスカーレット・オハラ、ジュリー・アンドリュースとマリア、このピーター・オトゥールもまさにそれである。

そして、今では砂漠=『アラビアのロレンス』なのだ。

pic現在の他の映画等で、砂漠のシーンが出るだけでBGMはモーリス・ジャールのロレンスの音楽が使われることがよくある。そのサウンドだけで砂漠のシーンは、70mmで撮影され描かれたロレンスの世界に連れて行ってくれるのだ。

1914年、第二次世界大戦が勃発し、謀略、反乱、闘争に明け暮れるアラビアの天地に登場したのが『アラビアのロレンス』と呼ばれ“無冠の帝王”と恐れられたT・E・ロレンスだった。

pic優れた指導者そして卓越した謀略家、戦術家としての素質と天賦の才能は中東、英、米、仏、独、の政府当局に脅威を与え、彼の一挙一動が戦局に動揺をもたらした。日本でもロレンスのやり方を手本にして謀略活動を行ったといわれ、満州事変の口火となった蘆溝橋(1928年)と柳条溝における鉄道爆破がそれである。

T・E・ロレンスが書いたアラビア体験記“7つの知恵の柱”の映画化は幾たびか企画されたが、そのスケールの大きさが映画化をより困難にしていた。しかし、プロデューサーのサム・スピーゲルはデビット・リーン監督を迎えて『戦場にかける橋』以来のコンビを再現、原作にふさわしい『アラビアのロレンス』をついに完成させた。

(WING)


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