海辺の家
LIFE AS A HOUSE
(2001年 アメリカ 126分)
2003年7月26日から8月1日まで上映 ■監督・製作 アーウィン・ウィンクラー
■脚本 マーク・アンドラス
■出演 ケヴン・クライン/ヘイデン・クリステンセン/クリスティン・スコット・トーマス/ジェナ・マローン/メアリー・スティーンバージェン/マイク・ワインバーグ

★本編はカラーです

(C)日本ヘラルド映画

余命わずか3ヶ月と知ったとき、あなたなら何をしますか?

この作品は「死」というものを受け入れ、そして残りの人生に正面から向かい合う──人生につまずいても、それをもっと素晴らしいものに変えていこうというメッセージを率直になげかけてくれる。

ジョージモンロー42歳。建築事務所デザイナー。彼には既に別の人と再婚している元妻ロビンと16歳になる反抗期の息子サムがいる。ある日彼は20年間勤めてきた建築事務所をいきなり解雇され、その上残りわずか3ヶ月の命と宣告される。

picこのまま死んで悔いはないのか、自分の人生は一体何だったのか…。ジョージは初めて自分の人生に、そして息子サムに向き合う決意をする。最後の夏、一緒に家を建てることで…。

ドラッグに溺れ、激しく抵抗するサムを無理やり連れ出し、ジョージは海辺に家を建て始める。近くに住む、幼なじみだったアリッサとその母親コリーン、息子サムを心配して見に来るロビンと二人の子供、そしてロビンの夫。ジョージをとりまく人々が、知らず知らずのうちに加わっていき、そしてそれぞれが、心にぽっかり空いた穴を「家を建てる」ことによって埋めていく。

picそして皆の想いがひとつになる一方で、ジョージの容態は確実に悪化していた…。残された時間はあと、わずか。そして海辺の家の完成は近い──。

主人公の建築家ジョージを演じるのは、アカデミー賞受賞経験をもつケヴィン・クライン。さらに本作で最も注目なのは、息子サムを演じるヘイデン・クリステンセン。思春期の怒り、とまどいを見事に演じきり、本年度ナショナル・ボード・オブ・レビューで躍進演技賞を獲得した。


このページのトップへ

ロード・トゥ・パーディション
ROAD TO PERDITION
(2002年 アメリカ 119分)
pic 2003年7月26日から8月1日まで上映 ■監督・製作 サム・メンデス
■原作 マックス・アラン・コリンズ/リチャード・ピアース・レイナー
■脚本 デヴィッド・セルフ
■出演 トム・ハンクス/ポール・ニューマン/ジュード・ロウ/タイラー・ホークリン/ダニエル・クレイグ/スタンリー・トゥッチ/ジェニファー・ジェイソン・リー

(C)20世紀FOX

1931年。アイルランド系ギャングの殺し屋マイケル・サリヴァンは、父親のような存在のルーニーの片腕として働いていた。しかし12歳の長男が、ルーニーの息子の殺し現場を目撃したことから、妻と次男が殺害される。生き残った父と息子は復讐と救済を求めてシカゴに旅立つが、ルーニーは残虐な殺し屋マグワイヤに跡を追わせる。

パーディションという名の町(同時にこれは“地獄”を婉曲的に意味する言葉でもある)を目指す苦難の旅で、強い絆が生まれ始めたふたりの行く道に待つものとは…。二組の父と子の姿を通し、組織の掟と愛の再生を描いた重厚なアクション叙事詩。

pic主人公サリヴァンを演じるのは、アカデミー主演男優賞に二度輝いたトム・ハンクス。サリヴァンはたまらなく魅力的だが、道徳的には曖昧で、聖人君子と呼ぶにはほど遠い男。彼は善人なのか悪人なのか。これまでの自分の生きざまに罪悪感と後悔の念を抱き、暗くミステリアスな男の心情を沈黙で伝える。

サリヴァンにとって父親のような存在であるジョン・ルーニーは、最後の“銀幕のスター”ポール・ニューマンが演じた。息子同然に思うサリヴァンと実の息子コナーの狭間で引き裂かれるルーニーの葛藤を演じる。

pic美しさと演技力を併せ持つジュード・ロウは、表向きはカメラマンだが実は殺し屋という裏の顔を持つ複雑なキャラクター、マグワイヤに扮して人間のダークサイドを際立たせた。

監督は初監督作品『アメリカン・ビューティー』でいきなりアカデミー作品・監督賞など数々の賞を獲得したサム・メンデス。彼は脚本を読み、ためらいもなく第二作目にこの作品を選んだ。



このページのトップへ