グッドナイト・ムーン
STEPMOM
(1998年 アメリカ 125分)
2003年8月9日から8月15日まで上映
■監督 クリス・コロンバス
■脚本 ジジ・レヴァンジー/ジェシー・ネルソン/スティーヴン・ロジャース/カレン・リー・ホプキンス/ロン・バス
■出演 ジュリア・ロバーツ/スーザン・サランドン/エド・ハリス/ジェナ・マローン
イザベル(ジュリア・ロバーツ)は、ニューヨークで活躍するカメラマン。仕事は順調、私生活でも1年前から交際している弁護士のルーク(エド・ハリス)と同居を始めたところ。彼女の人生は絶好調…と言いたいところだが、実はそうでもない。
ルークには3年前に別れた妻ジャッキー(スーザン・サランドン)との間に、2人の子供がいる。7歳のベン(リーアム・エイケン)はやんちゃ坊主だし、12歳という難しい年頃のアンナ(ジェナ・アローン)は両親の離婚に納得がいかず、イザベルを嫌っているのだ。
子供たちがルークに会いに来る度に、ベンはトラベルを巻き起こし、アンナはイザベルとの衝突を繰り返す始末。だが母親としては非のうちどころのないジャッキーと違い、イザベルは仕事を抱え、子育ての経験もない。心は重くなるばかり。ルークはそんな彼女を辛抱強く見守ることにする。イザベルもまた、彼の信頼を裏切るまいと奮闘する。
健気に努力しているイザベルに対し、ジャッキーの言葉が素晴らしい。「子供たちの過去は私のものだけれど、未来はあなたが担うのよ」とすべてを彼女に託す。そしてイザベルがジャッキーの抱えていたある秘密を共有した時から、彼女は次第に家族の一員としてうけいれられていくのであった…。
主演のジュリア・ロバーツとスーザン・サランドンの2人とも、脚本を読んで熱狂し、出演だけでなく製作総指揮としても加わっている意欲作。
スーザン・サランドンは、子供たちには限りなく優しく頼りになる母親、イザベルにとっては始めは厳しいライバル、後にはよき理解者となるこの役を、確かな演技力で演じてみせ、厚い感動を誘い、ゴールデン・グローブ賞の主演女優賞にもノミネートされた。
マグノリアの花たち
STEEL MAGNOLIAS
(1989年 アメリカ 118分)
2003年8月9日から8月15日まで上映
■監督 ハーバート・ロス
■原作・脚本 ロバート・ハーリング
■音楽 ジョルジュ・ドルリュー
■出演 ジュリア・ロバーツ/サリー・フィールド/ドリー・パートン/シャーリー・マクレーン/ダリル・ハンナ/オリンピア・デュカキス
アメリカ南部のルイジアナ州の小さな町。イーテントン家の長女シェルビーはある難病患者だ。この日は結婚式のため母のマリンと美容院にやってきた。美容院は町の女たちの社交場。何か事があるたびにここに集まっては世間話に花を咲かす。彼女たちは強い友情で結ばれ、ケンカをしながらもお互いを暖かく包んで生きてきた。
結婚式も無事に終え、やがてクリスマスの頃、町にはある出来事が起きた。シェルビーが妊娠したのだ。医師の警告を受け、子供を産んではならない身であるにもかかわらず、命を賭けても子供がほしいというシェルビー。彼女の決心は変わらないのであった…。
原題の「スティール・マグノリアス(鋼鉄の木蓮)」とは木蓮のように可憐でか弱い女性ながら、鉄のように強く生きる女性を称する言葉である。悲しい宿命を負った娘と、常に彼女を励まし続けた母親の母子愛を中心に、この母娘を暖かい愛で包み、見守り続けた4人の女たち。人生のいとなみ、結婚、誕生と死といった人間の生活に不変のテーマが笑いと涙の中でつづられていく。
この心に染みる秀作を生んだのは、女性映画を撮らせたら抜群の才能を発揮する、人間味豊かなドラマ作りのハーバート・ロス監督。穏やかな陽射しの中で、人の世の喜びと悲しみをユーモアを交えて語りきり、さらには共同体の素晴らしさを強く印象付けた。
原作は、オフ・ブロードウェイから全米各地、そして世界各国でロングランを続けたロバート・ハーリング作の舞台劇で、彼自ら映画化に際して脚本を手がけている。この戯曲は、ハーリング自身の家族、難病で死んだ実の妹と母親がモデルになっており、登場人物も、それぞれ故郷ルイジアナ州の町の人々がモデルになった。