初恋のきた道
我的父親母親/THE ROAD HOME
(2000年 アメリカ/中国 89分)
2003年11月22日から11月28日まで上映
■監督 チャン・イーモウ
■脚本 パオ・シー
■出演 チャン・ツィイー/スン・ホンレイ/チャオ・ユエリン/チャン・ハオ
■2000年ベルリン国際映画祭審査員特別賞受賞
(C)ソニーピクチャーズ・エンタテインメント都会で働く青年は、教師として一生を送った父の葬式のため、数年ぶりに帰郷した。すると母は、伝統の葬儀をすると言って周囲を困らせる。その様子を見ながら息子は、村で伝説となった父母の恋物語を思い出していた…。
都会からやって来た若い教師に、18歳のディは一目で恋に落ちた。彼女はどうにかその想いを伝えようと、手作りの料理をせっせと作り、やがて彼は彼女の気持ちに気づく。しかしようやくふたりの気持ちが通じ合ったと思った直後、ふたりは離れ離れになってしまう。ディは来る日も来る日も愛する人を待ち続けたのだった。
世界で作品が評価されているチャン・イーモウ監督の、両親が出会ったときのエピソードが元になったという作品。華北の美しい村を舞台にした、一組の夫婦にまつわるシンプルで純粋な愛の物語。そして家族間の愛についての物語。
とくにひねりや、劇的な演出もないが、生活の中の大きなドラマを映像美でじっくりと描き出す。そして何気なくてどこか懐かしい情景が、見る者の胸を打ち涙を誘う。
本作のデビューを機に『グリーン・デスティニー』の主演を射止めたディ役のチャン・ツィイーは、芯に強さを秘めた素朴な少女を演じ、ディのかわいらしさと、けなげないじらしさを引き出した。
(fct)
至福のとき
幸福時光 / HAPPY TIMES
(2002年 中国 97分)
2003年11月22日から11月28日まで上映
■監督 チャン・イーモウ
■原作 モー・イェン
■脚本 グイ・ズ
■出演 チャオ・ベンシャン/ドン・ジエ/フー・ピアオ/リー・シュエチェン
舞台は現代の中国の都市、大連。HAPPY TIMES HOTEL。そのホテルの按摩室には、継母から厄介物扱いをされ、目の見えない少女ウー・イン(ドン・ジェ)が働いている。
初めての仕事、初めてのやさしさ。按摩をしてあげたお客さんが気持ちよさそうに眠ると、少女もなんだかうれしくて、冷たく凍えていた心がほぐれていく。
都会の片隅で生きる市井の人々の誠心誠意の気持ち、それは少女に淡くて光に満ちた<至福のとき>をもたらした。人は一度でもそんな時を知ったなら、上を向いて強く歩いていけるはずである。
工場をリストラされた中年労働者チャオ(チャオ・ベンシャン)と、その婚約者の継娘で盲目の少女ウー・インの幸せさがしの物語。厳しく辛いふたりの人生が交錯し、つかのまの淡くてやさしい至福の時が訪れる。
近代化がすすむ都会の片隅で、たくましく、明るく生きている人々のの素朴な姿に笑わされ、涙させられる。原作者は現代中国を代表する作家、莫言。
世界を魅了する巨匠チャン・イーモウ監督が、『あの子を探して』『初恋のきた道』に続いて贈る<しあわせの3部作>最終章である。
盲目ながら強い意志を瞳に秘めたヒロイン、ウー・インを演じるのは、中国全土53人の美少女たちからオーディションで選ばれた19歳のドン・ジェ。コン・リー、チャン・ツィーに続くチャン・イーモウの新しいミューズの誕生だ。
(WING)