多くの中学生にとって、学校と家は、自分を形作る大部分なのではないだろうか。
友達。先生。部活。勉強。そして親。それらが「世界」そのものなのだ。
『ソロモンの偽証』の中学生たちも同じである。
教室ではクラスメイトに仲間外れにされないように必死な子がいる。
家では親に怒られないようにびくびくしている子がいる。
繊細で傷つきやすい彼らは、だからこそ逆に、誰かを傷つけてしまうことがある。
けれどそのいっぽうで、彼らは怖いもの知らずで問題に立ち向かう勇気を持っている。
適当にごまかしたり、都合の悪いことに蓋をしたりせず、
“ほんとうのこと”を知ろうとするひたむきさがある。
主人公・藤野涼子が流す涙の、なんと清いことだろう。
自分の感情に従った、嘘いつわりのない素直な涙だ。
もしかしたら大人には流すことのできない涙だ。
子供から大人への準備期間――あの頃、何を感じ、何を思っていただろうか。
衝撃的な【クラスメイトの死】から始まる、少年少女たちの葛藤と成長の物語。
二部作続けてご覧ください。
(パズー)
 
 
 シネスコ)
 シネスコ)
       
       
 クリスマスの朝、雪の積もった校庭で中学2年生の藤野涼子はクラスメートの死体を発見する。屋上から転落死した少年の名は、柏木卓也。警察は早々に自殺であると結論づけた。そんな折に、涼子のもとに1通の匿名の告発状が届く。「柏木卓也君は自殺したのではありません。本当は殺されたのです」。
クリスマスの朝、雪の積もった校庭で中学2年生の藤野涼子はクラスメートの死体を発見する。屋上から転落死した少年の名は、柏木卓也。警察は早々に自殺であると結論づけた。そんな折に、涼子のもとに1通の匿名の告発状が届く。「柏木卓也君は自殺したのではありません。本当は殺されたのです」。 
 ベストセラー作家・宮部みゆきが、構想15年、執筆に9年を費やした、現代ミステリーの最高傑作と言われている小説「ソロモンの偽証」。その原作を、
ベストセラー作家・宮部みゆきが、構想15年、執筆に9年を費やした、現代ミステリーの最高傑作と言われている小説「ソロモンの偽証」。その原作を、