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勝負事になると、ついつい負け腰になってしまう。
自分が勝つことで、相手から憎まれるのではないかと恐れるからだ。
いつからか「勝ちたい」という欲は、悪いことだと思い込むようになった。

そんな私が言われた言葉は「貪欲になれ」だった。
欲を持つことが許された瞬間、衝撃が走った。

勝とうと思わなければ、勝つことはできない。
勝たなければ、見えない世界があるのだ。と。

「人間のいない土地」を探し、そこで人間をやめてもいいと思っている幸田。(『黄金を抱いて翔べ』)
「死は究極の救いだ」という教えを受け継ぐ教祖のルイ。(『I'M FLASH!』)

広く明るい世界からかけ離れ、狭く暗い世界で生きる彼らに、居場所なんて無かった。
二人は虚無感が漂う孤独な男だ。
みなぎる欲望もなく、ただ、生きていた。いや、生かされていたのかもしれない。

しかし、運命を変える出会いがあった。
繋がりを求め、彼らは動き出す。
独りでもいい、死んでもいいと思っていた彼らが、共に生きることを望んだのだ。
そして、罪の意識や迷いから解き放たれたいと、光の方へと走り出す。

最後に彼らが目にした輝きは、永遠なのか一瞬なのか。
欲望の先に見える世界、あなたの目にも映るでしょうか。

(もっさ)

I'M FLASH!
(2012年 日本 91分 PG12 シネスコ/SR) 2013年3月30日から4月5日まで上映 ■監督・脚本 豊田利晃
■撮影 重森豊太郎
■水中撮影 さのてつろう
■衣装 伊賀大介
■音楽監督 zAk
■主題歌 I'M FLASH!BAND「I'M FLASH!」

■出演 藤原竜也/松田龍平/水原希子/仲野茂/永山絢斗/板尾創路/原田麻由/北村有起哉/柄本佑/中村達也/大楠道代

「お前の命を奪えるのは、俺だけだ」
灼熱の孤島で生死を駆けた
運命の戦いが今、始まる――。

pic新興宗教団体“ライフイズビューティフル”の若き三代目教祖・吉野ルイは、祖父からの継承で教祖となり、空虚な毎日を過ごしていた。ある夜、謎の美女・流美に出逢い次第に魅かれていくルイだったが、ドライブで暴走した2人はバイクと衝突、ルイは奇跡的に軽傷ですんだが、流美は生死を彷徨う。教団の幹部であるルイの母と姉は交通事故のもみ消しに躍起になる。そこで警護のために3人のボディガードが雇われ、ルイは彼らと共に南海の孤島へと避難した。

自ら「死」に直面し、初めて生きる意味を知ったルイは教団を辞める決意をするが、それは同時に教団に背くことを意味していた。ここから全ての運命の歯車が狂い始める。そして、ボディガードの新野たちに教団から新たな指令が下された…。

藤原竜也×松田龍平×水原希子
豪華出演陣を迎え、豊田利晃が描く渾身の一作!

pic『青い春』『空中庭園』などで鮮烈な個性を発揮し、絶大な信者を得ている豊田利晃監督。本作でも「生と死」の強烈なメッセージを訴えかける。主演のルイ役には舞台だけでなく数々の映画に主演している演技派・藤原竜也。長年豊田作品への出演を切望していたが、出会いから5年、遂に待望のタッグが実現した。ルイに対峙するボディーガード・新野役には『青い春』からの常連であり、9年ぶりの豊田作品に参加となる松田龍平。そしてルイの運命を変える謎の美女・流美に『ヘルタースケルター』の水原希子。個性ある3人の激しいまでのぶつかり合いがスクリーンに炸裂し、魂の籠った渾身の作品に仕上がった。

pic更に仲野茂、永山絢斗、板尾創路、大楠道代ら豊田作品ならではの豪華なキャストが脇を固める。また主題歌は、この映画のきっかけとなった鮎川誠作曲の同名タイトル曲を、本作の為にチバユウスケら豪華メンバーによって結成された「I'M FLASH!BAND」が手掛け、疾走感を煽り本作を盛り上げている。


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黄金を抱いて翔べ
(2012年 日本 129分 シネスコ/SRD) 2013年3月30日から4月5日まで上映 ■監督・脚本 井筒和幸
■脚本 吉田康弘
■原作 村薫『黄金を抱いて翔べ』(新潮文庫刊)
■撮影 木村信也
■音楽 平沢敦士

■出演 妻夫木聡/浅野忠信/桐谷健太/溝端淳平/チャンミン/青木崇高/中村ゆり/田口トモロヲ/鶴見辰吾/西田敏行

■日本アカデミー賞新人俳優賞受賞(チャンミン)

札束より欲しいもの、おまえにはあるか?

pic大阪。二十数年ぶりに故郷の地を訪れた幸田弘之は、学生時代からの友人で運送会社のトラック運転手をする北川浩二に、住むための部屋と仕事先の倉庫会社を用意された。北川は、過激派や犯罪者相手の調達屋などをしてきた幸田に、大手銀行本店地下にある240億円の金塊強奪計画を持ちかけたのだ。

銀行担当システムエンジニアの野田、野田の知り合いで“ジイちゃん”と呼ばれる元エレベーター技師の斉藤順三、爆弾エキスパートの青年チョウ・リョファン。さらに、計画を知ってしまった北川の弟・春樹が仲間に加わり、6人の男たちによる大胆不敵な計画が幕を開けた――。

メガバンクの地下に眠る、240億円の金塊を強奪せよ――
激情、裏切り、駆引き、陰謀…。
男たちの

pic原作はベストセラー作家・村薫が日本推理サスペンス大賞を受賞した同名デビュー作。メガホンを取ったのは、鬼才・井筒和幸監督。オリジナルにこだわってきた監督にとって“原作もの”は珍しいが、例外的に本作は発表時より心から惚れこみ、受賞作を収録した「小説新潮」を長年ボロボロになるまで持ち歩いていたという。

まるでパズルのピースが埋まっていくように、ドラマの全体像が浮かんだあとは、スリルたっぷりの強奪作戦に向かってなだれ込み、一気呵成に駆け抜けていく。きりきりと追い詰められれば追い詰められるほど、スクリーンに充満する男の色気。刹那と永遠が一瞬のうちに交錯する彼らの命運の妙に、誰もがノックアウトされることは間違いない。一見、欲に駆られた姿の奥に見える男たちのプライドとは? 彼らが最も大切にしているものとは、いったい何なのか? まさに一瞬たりとも目が離せない。非情なる“男たちの賭け”が、いま始まる――!



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