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さぁさぁ、お立ち会い!
今週は、日本の喜劇王・三谷幸喜監督の二本立て
その名も、三谷幸喜のザ・ジャッジメント!
三谷劇場はじまりますよー。

映画初脚本となった「12人の優しい日本人」と監督最新作 「ステキな金縛り」
どちらも法廷が舞台となっています。
法廷というと張り詰めた緊張感と厳かなイメージですが、
三谷監督の作品ですから…そんなワケがありません。

陪審員たちによる審議の卓上には甘栗やパフェが並んでいるし、
裁判の証人には落武者の幽霊が出てくるし、
もう…ある種のファンタジーです。
登場する人たちもいちいち極端で、
実際こんな人たちいないよってツッコミたくなります。
が、彼らの根っこにある精神性のようなものは、実に日本人らしい。
だからこそ、その一挙一動に笑いが込み上げたり、共感をしたり、
ときには思わずほろっときてしまったり。

そんな日本人の良い部分も悪い部分も、
観ていて恥ずかしくなるほど明るみに出すのが錚々たる役者さんたち。
贅沢すぎる俳優陣の、芝居らしい芝居を堪能できるのが三谷ワールドの魅力ですよね。
「裁判所は最も演劇的な空間である。」と監督本人が言うように、
現実世界で数少ない「芝居」がかったその空間を、
登場人物たちは一層生き生きと、リアルとアンリアルの間で動き回っています。
その空間は、わたしたち観客をもまた作品世界へと誘ってくれることでしょう。
三谷作品ファンの方も、はじめての方も、是非この機会をお見逃しなく!

さあ、みんなで思いっきり笑いましょ♪

(おまる)

12人の優しい日本人
(1991年 日本 119分 ビスタ/MONO)
2012年3月24日から3月30日まで上映
■監督 中原俊
■脚本 三谷幸喜と東京サンシャインボーイズ
■撮影 高間賢治
■音楽 エリザベータ・ステファンスカ

■出演 塩見三省/相島一之/上田耕一/二瓶鮫一/中村まり子/大河内浩/梶原善/山下容莉枝/村松克己/林美智子/豊川悦司/加藤善博

★本編はカラーです。

陪審員全員が「無罪!!」
しかしその部屋からは誰も出られなかった…

ある殺人事件の審議のために12人の陪審員が集められた。女子校の体育教師、大手スーパーの課長補佐、クリーニング店のおかみさん、医薬品会社セールスマン、喫茶店店主、元信用金庫職員等々…職業も年齢もバラバラな無作為に選ばれた人々であり、この日初めて一堂に会した。事件のあらましはこうだ。離婚歴があり子供もいる被告がある日、復縁を迫る呑んだくれの元夫に呼び出され、口論の末突き飛ばし、そこに来たトラックに元夫がはねられてしまった。

被告が若く美人であったことから審議は概に無罪で始まり、何の問題もなく進行するかに見えた。しかし、ある男が無罪の根拠を一人一人に聞き始めた所から、審議が怪しくなっていく。ここに集まった人々の意見はこれといって論理的な根拠がなく、同情によって、無罪に一票入れていた事があきらかになってくるからだ。果たして、議論下手の彼らは、いったいどこにたどり着くのだろうか。そして審議の行方はいかに…。

『櫻の園』の中原俊×演劇界の俊英・三谷幸喜
東京サンシャインボーイズの大ヒット舞台劇を完全映画化!

「もし日本に陪審員制度があったら…」という仮定に基づいて、陪審員制度が題材の映画史に残る傑作『十二人の怒れる男』をモチーフにした本作。90年に上演された東京サンシャインボーイズの同名戯曲を、『櫻の園』で各映画賞を総なめにした中原俊監督が映画化した。劇団を主宰する三谷幸喜自身が映画用の脚本を執筆。駆け引き、談合、根回し、だんまり…といった日本人特有の会議テクニックを駆使して、議論下手の陪審員たちが審議を乗り切ろうとする様子をユーモラスに描いている。また、現在も三谷作品の常連である東京サンシャインボーイズの面々や、陪審員11号を演じ注目を集めた、豊川悦司の存在感も見どころの一つ。三谷幸喜の“裁判もの”の原点として今でも人気の高い本作は、『ステキな金縛り』に繋がるなにかを感じることができるかもしれない。


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ステキな金縛り
(2011年 日本 146分 シネスコ/SRD) 2012年3月24日から3月30日まで上映
■監督・脚本 三谷幸喜
■製作 亀山千広/島谷能成
■撮影 山本英夫
■音楽 荻野清子
■主題歌 「Once In A Blue Moon」
歌:深津絵里・西田敏行 
コーラス:法廷ボーイズ(中井貴一・阿部寛・小林隆)

■出演 深津絵里/西田敏行/阿部寛/竹内結子/浅野忠信/草なぎ剛/中井貴一/市村正親/小日向文世/小林隆/KAN/木下隆行(TKO)/山本亘/山本耕史/戸田恵子/浅野和之/生瀬勝久/梶原善/佐藤浩市/深田恭子/篠原涼子/唐沢寿明

殺人事件の証人はただ一人…
落ち武者の幽霊。

pic失敗続きで後がない三流弁護士エミにある被告人の弁護が持ち込まれる。資産家の妻殺しの容疑で捕まった男。だが彼にはアリバイがあった。事件があった夜、彼は旅館の一室で金縛りに遭っていたというのだ。無実を証明できるのは、一晩中彼の上にのし掛かっていた、落ち武者の幽霊だけ。早速その旅館を訪れたエミは、やはり金縛りに遭う。そして目を開けると、なんと!自分の上に落ち武者が!その名は、更科六兵衛。エミは思わず彼の手を掴むとこう叫んだ。「どうか、裁判で証言して下さい!」

picしかしこの六兵衛、すべての人に見えるとは限らなかった。しかもエミの前には、一切の超常現象を信じない、敏腕カタブツ検事・小佐野が立ちはだかる。人生のどん詰まりに立たされたダメダメ弁護士と、421年前に無念の死を遂げた落ち武者の間に生まれた奇妙な友情。果たして彼らは、真実を導き出すことができるのか?今、全世界注目の裁判が、幕を開ける――!!

構想10年以上!
三谷映画史上“一番笑えて、泣ける”
最高傑作、ここに誕生!!

pic今や国民的脚本家としてエンターテインメント界を牽引する存在となった三谷幸喜。記念すべき生誕50周年を迎える今年、いよいよ監督5作目となる『ステキな金縛り』が、満を持して登場した!10年以上もの長きに渡り、三谷監督が温め続け、もっとも実現させたかった企画の映画化。その面白さは正真正銘5つ星級!三谷監督いわく、「法廷ミステリー」で「ホラームービー」、「幽霊コメディー」であり「主人公の成長物語」、さらには「感動ドラマ」というすべての要素がぎっしり詰まった完全無敵のエンターテインメント大作である。

出演者には、超豪華な役者陣が大集結!将来性ゼロの三流弁護士・エミに深津絵里、落ち武者の幽霊・六兵衛に西田敏行をはじめ、阿部寛、竹内裕子、浅野忠信、草なぎ剛、中井貴一と、全員が主役級のオールスターキャストが顔を揃え、さらに三谷作品でしか実現し得ない豪華出演陣が見事な競演を果たし、スクリーンを華やかに彩っている。また、三谷作品の常だったワンシーン・ワンカットを封印し、カット割り、CG合成、屋外撮影、ロケセットなど、これまでに見たことのない新たな演出方法で新境地を開拓。映画館に来たお客様にその一時だけは日常から離れ、目一杯笑って元気になって帰ってもらいたい、そんな三谷監督の思いがたっぷりと詰まった、まさに「ステキな」映画が誕生した。


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