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★このプログラムは3日間上映です。スケジュールにご注意ください。

できることならば、シンプルに生きたいものです。
でも現実にはとても複雑な事情があって、上手に進めることはなかなか困難です。
自分を大切にしてくれる人の事や、自分が大切にしたい事。
そんな様々な関係のちょうど真ん中くらいに自分がいて、身動きが取れない気がする。
だからこそ、そこから解き放たれて自由になりたい。なによりも、速くありたい。

アイルトン・セナ(1960〜1994)―享年34歳
「僕たちには制御し切れないものがある。僕は辞められない。進むしかないんだ」 
ジョン・レノン(1940〜1980)―享年40歳
「“平和を我らに”であって、“平和のために撃て”じゃない。
“愛こそすべて”なんだ。すごく大変だけど、僕は本気で信じてる」

他のドライバーを巻き込む事故を経験しながら、決してスピードを落すことのなかったセナ。
二人の母親の愛情の狭間で、理解してくれる人のいない孤独を、愛をジョンは叫ぶ。誰も憎むことなく。

彼らの困難から生まれた音楽や、エンジンの、コーナーを切り裂くタイヤの音が、
世界中の憧れを背負って響き渡るのは、シンプルなことを求め続けていたからかもしれない。
より速く、より自由に。
その熱狂はレコードプレイヤーから、路上で、TVで、はるか遠く離れた国々、喫茶店の片隅で、今も途絶えることがない。

今週の早稲田松竹は『アイルトン・セナ −音速の彼方へ』『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』の二本立て。
現代が特別に複雑だから迷うのではなく、いつの時も困難な人生を迷いながら求める。
そんな二人の姿を今一度ご覧なってみてはいかがでしょう。

(ぽっけ)

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ
NOWHERE BOY
(2009年 イギリス 98分 R15+ シネスコ/SRD) pic 2011年5月11日から5月13日まで上映 ■監督 サム・テイラー=ウッド
■撮影 シーマス・マッガーヴェイ
■音楽 ウィル・グレゴリー/アリソン・ゴールドフラップ

■出演 アーロン・ジョンソン/アンヌ=マリー・ダフ/クリスティン・スコット・トーマス

歌ってなんかいなかった
愛を叫んでいたんだ

1950年代のリヴァプール。ジョン・レノンは伯母ミミに育てられている反抗期真っ最中の問題児。彼はある日、近所に実の母ジュリアが住んでいることを知る。ジョンに音楽の素晴らしさを教えてくれる自由奔放なジュリアに対し、厳格な伯母ミミはジョンに向上心を持った大人になることを望む。母と伯母、それぞれの愛し方――。彼はその愛の違いに心が引き裂かれるとともに、普通とは違う自分の境遇を受け入れることもできない。

pic 「ただ普通に愛されたいだけなのに…。」二人の母のどちらにも、自分の悲しみや孤独をぶつけられず、行き場のない苦しみを抱えるジョン。彼は次第に音楽へと没頭していく。やがてジョンはバンドを結成し、最初のライブをしたセント・ピーターズ教会でポール・マッカトニーと出会うことになる。すぐに意気投合した二人は共に音楽を作り始める。そんな中、17歳の誕生日を迎えた彼は、自分の生い立ちや母を巡る哀しい過去を知ることになるのだった―。

まだ世界の誰も知らなかった青年ジョン・レノンと、
ふたりの“母”の真実の物語     

伝説として語り継がれ、没後30年経つ今でも知らない人はいない音楽界の英雄ジョン・レノン。しかしこの物語は私たちが知っている彼の才能と栄光の軌跡を辿るものではなく、誰もが経験する青春の葛藤を切り取った作品である。

pic監督は現代アート界で活躍する女性芸術家、サム・テイラー=ウッド。ジョン・レノンを演じるのは、「純粋さとセクシーさを併せ持つ貴公子」アーロン・ジョンソン。孤独と好奇心が同居する繊細なジョン・レノンの心を、その確かな演技力で見事に演じ切った。二人の対照的な“母”を、『イングリッシュ・ペイシェント』のクリスティン・スコット・トーマスと『マグダレンの祈り』のアンヌ=マリー・ダフが演じる。


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アイルトン・セナ ―音速の彼方へ
SENNA
(2010年 イギリス 108分 ビスタ/SRD) pic 2011年5月11日から5月13日まで上映 ■監督 アシフ・カパディア
■撮影 マニシュ・パンディ
■音楽 アントニオ・ピント

■出演 アイルトン・セナ

34歳で突如この世を去った天才ドライバー
彼は自らの命を捧げ、音速の先に何を追い続けていたのか?

ブラジルの裕福な家庭に生を受けた少年は、4才でレーシング・カートを始め、南米ナンバー・ワンの選手に成長した。夢は、世界最高峰のレース「F1」でチャンピオンになること。20才でヨーロッパに渡ると、さまざまなレースで勝ち続け、まるで昇り竜のようにF1まで登りつめていく。彼の名はアイルトン・セナ。のちにF1最大のスーパースターとなる男である。

デビュー6戦目のモナコ・グランプリ。優勝など全く望めない非力なマシンに乗った新人セナは、豪雨の中、2位という快挙を達成する。翌年のポルトガルで初優勝すると、日本のホンダと手を組んだF1最強のチーム「マクラーレン」に加入し、フランス人ドライバー、アラン・プロストと共に黄金時代を築き上げる。

素晴らしい速さと甘いマスクで世界のスーパスターとなったセナだったが、最大のライバルであるチームメイト、プロストとの関係は徐々に亀裂が生じるようになっていった。 さらに当時のFISA(国際自動車スポーツ連盟)の会長バレストルからの政治的圧力により、一時スーパー・ライセンスの発給を停止させられる。そんな逆境にもめげず、その後も第一線で走り続けたセナ。しかし1994年5月1日、サンマリノ・グランプリで悲劇は起きた――。

アイルトン・セナ財団全面協力による、初のドキュメンタリー。
「世界最速」の記憶がスクリーンを駆け抜ける!

天性のドライビング・テクニック、甘いマスクに秘められた激しい闘志で、F1界のみならず全世界の人々を魅了したアイルトン・セナ。レース中の衝撃的な事故死以来、存在は神格化し、今も鮮明な記憶として人々の脳裏に生き続けている。そのセナ初のドキュメンタリー映画が遂に完成した。世界中のメディアから提供された大迫力のレース映像、オンボード・カメラやインタビュー、貴重なプライベート映像、未公開映像で贅沢に構成された珠玉のドキュメンタリー作品となっている。

3度のワールドチャンピオンを獲得し、世界の頂点に登り詰めたセナ。その華々しい経歴と栄光の陰には、絶えず苦悩する姿があった。マクラーレンチーム監督ロン・デニスをはじめとするF1関係者、家族、恋人の証言をもとに、通常のドキュメンタリーとは全く異なる手法で、セナの熱き想いが1つの物語として紡がれていく。そして、運命のサンマリノ・グランプリ――少年の頃の夢を忘れなかった世紀のカリスマ・ドライバーは、あの日コックピットから何を見たのか。今、その全てが明らかになる!



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