大きなステージでキラキラ輝くスターたち。
小さい頃、憧れた方も多いのではないでしょうか?
まさに私はその一人。
アイドルに憧れて、テレビの前で一緒に踊り回っていました。
贅沢三昧で何不自由なく暮らしているんだろうな〜、
きっと毎日楽しいだろうな〜、なんて羨んでいました。
でも、
彼らは初めから輝いていたわけではありません。
輝くために数知れない必死の努力をしてきたのです。
今週の早稲田松竹は、そんな陰の努力が光る2人のお話、
『タイピスト!』と『最後のマイ・ウェイ』をお届けいたします。
『タイピスト!』の主人公ローズ・パンフィルは秘書に憧れる田舎娘。
ドジで不器用なローズは、秘書の要素が全くありません。
唯一の特技は“タイプ早打ち”。得意とはいえ、一本指で打つことしかできなかった彼女が、
タイプ早打ち大会に出場することで、人生を大きく変えてゆくのです。
辛く厳しい世界一への道のりですが、その様子がとてもコミカルに描かれている本作。
「頑張れば、誰だってスターになれるのよ!」というポジティブなメッセージが伝わってきます。
名曲「マイ・ウェイ」を作った男、クロード・フランソワの生涯を描く『最後のマイ・ウェイ』。
スターに憧れ、数々のコンプレックスを抱えながらも、
国民的スターへと登りつめた彼の知られざる一生が、丁寧に描かれています。
スターであるがゆえに苦悩し、スターであり続けるために努力を惜しまなかった彼の姿に、
ただただ圧倒されてしまいます。
“I did it my way.”(こころのままに、自分の道を歩いてきた)
これはフランク・シナトラが歌った「マイ・ウェイ」の最後のフレーズです。
大きなステージに立つスターの笑顔は、自信に満ちています。
それは自分たちの信じた道を、まっすぐに歩んできたからなのでしょう。
それでは、“素敵な人生”をのぞいてみましょう!
キラキラ輝く彼らの人生には、
私たちのちっぽけな毎日を輝かせるヒントが隠れているかもしれませんよ。
(もっさ)
シネスコ/SRD)
エジプトに生まれたクロード・フランソワは、厳格な父とおおらかな母のもと、優しい姉と共にエジプトの音楽やダンスに親しんで育った。裕福な暮らしをしていたが、父の失業により一家は移住を余儀なくされる。苦しい生活を送る中、彼は夢を抱いて楽団に入り、ヴォーカルとして人気を博すようになる。だが、父は「大道芸人の息子はいらない」と彼を認めぬままこの世を去った。
フランク・シナトラの名曲「マイ・ウェイ」を作った男、クロード・フランソワ。極端に上昇志向が強く、嫉妬深く、小心者。だが、その姿を決して他人に見せようとせず、恋人や家族を虐げてまでもすべての成功をつかんだ。この波乱に富み、60年代から70年代の熱気を再現した『最後のマイ・ウェイ』は、余すことなく彼の成功と実像を映し出している。クロードを演じるのは、ダルデンヌ兄弟の秘蔵っ子としてデビューし、今やフランス映画界の実力派であるジェレミー・レニエ。17歳から39歳までのクロードを演じるため、5ヶ月間に渡るトレーニングを敢行、知られざる天才音楽家の半生を演じ切った。
シネスコ)
1950年代フランス。女性たちは自由を求めて社会へ飛び出そうとしていた。そんな彼女たちの憧れNO.1の職業は「秘書」。その中でももっともステイタスを得られるのは、当時一大競技として人気だった<タイプライター早打ち大会>で勝つこと。ドジで不器用な田舎娘ローズは、秘書になるため各国代表と、タイプでオリンピックさながらの闘いに挑むことになるが――。
早打ち以外は何ひとつ取り柄のない女の子が、世界の女王を目指す姿を描いた本作。敏腕コーチが伝授する“メンタルを鍛え、駆け引きに強くなるコツ”は、ハードな現代を生き抜く私たちにも大いに役立つアイデアでいっぱいだ。タイプ早打ちは一見競技とは程遠いが、過酷な死闘を繰り広げる大会の白熱シーンが話題となった。さらにビリー・ワイルダー監督の
監督・脚本はジェーン・バーキンのPVや音楽関係のドキュメンタリーを手掛けてきたレジス・ロワンサル。長編映画監督デビュー作となる本作で、セザール賞5部門にノミネートされ、国内外で今、最も注目されている監督の一人である。ヒロインのローズには、