『羊たちの沈黙』+『セブン』 // 特別レイトショー『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間 4K』 | 早稲田松竹 official web site | 高田馬場の名画座

【2025/8/30(土)~9/5(金)】『羊たちの沈黙』+『セブン』 // 特別レイトショー『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間 4K』

ジャック

今回のプログラムは『セブン』『羊たちの沈黙』『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』の3作品。もはや説明不要とさえ思える、サスペンスまたはスリラーの代表作ばかりです。

巧みに散りばめられた謎。断片的な手がかり。魅力的なキャラクター。物語がだんだんと確信に迫るときのダイナミズムにはとても興奮させられてしまいます。さらにこの3作品に共通しているのは、その結末が後を引くということ。それは決してスッキリするような体験ではありません。初めて鑑賞したときには、心にぽっかり穴が空いたというのか、圧倒されたというのか、とにかく言葉にできない感情の起伏を持ち帰ったことを覚えています。

あれから十数年たち改めて観返してみると、謎の確信に迫るといった物語の本筋ではないところに目が留まるようになりました。都会の暮らしの困難さ。他者への無関心と苛立ち。ジェンダー的な視点。現代的な感覚では批判を呼び起こすような表現も含まれているようには思えますが、多様性が広がり、様々な価値観が隣り合う今だからこそ、よりこういった問題が映画の中で強調されて、縁取られているように見えます。ただ「面白い」と思うだけではいられない、というのが今の私の感じたことです。

70年代後半から80年代のアメリカで作られた映画を上映した先週に続き、今週は90年代に製作されたアメリカの映画を、『早稲田松竹クラシックスvol.242 “アメリカの闇”と現代ノワール/サイコスリラーの系譜』と称して上映いたします。初めての方はもちろん、すでにご覧になっている方も今一度、劇場までお越しいただければと思います。

セブン
Se7en

デヴィッド・フィンチャー監督作品/1995年/アメリカ/126分/Blu-ray/シネスコ

■監督 デヴィッド・フィンチャー
■脚本 アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
■撮影 ダリウス・コンジ
■編集 リチャード・フランシス=ブルース
■音楽 ハワード・ショア

■出演 ブラッド・ピット/モーガン・フリーマン/ グウィネス・パルトロー/ジョン・C・マッギンレー/リチャード・ラウンドトゥリー/R・リー・アーメイ/ケヴィン・スペイシー

■第63回アカデミー賞編集賞ノミネート/1995年NY批評家協会賞助演男優賞受賞/英国アカデミー賞オリジナル脚本賞ノミネート ほか多数受賞・ノミネート

Seven© 1995 New Line Productions, Inc. All rights reserved.
© 2010 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

【2025/8/30(土)~9/5(金)上映】

「七つの大罪」は7人の死で完成する。

とある大都会。雨が降りしきる中でまた新たな殺人事件が発生し、退職間近のベテラン刑事サマセットと赴任直後の新人刑事ミルズが現場に向かう。そこで2人が見たものは、極度に肥満した大男の無残な死体とGLUTTONY=大食いという文字が残された殺害現場の異様な光景だった。

そして間髪を入れずに殺人事件は次々と起こり、サマセットは犯人がキリスト教における“七つの大罪”に基づき殺人を繰り返していることを確信する。果たして、完璧なアートのような殺戮を見せつける、犯罪史上類を見ない冷酷な連続殺人犯は一体誰なのか? 犯人の目的は? そして捜査を続ける2人の刑事に犯人の罠が忍び寄る——

ブラッド・ピット&モーガン・フリーマンの刑事コンビが猟奇殺人に挑む、デヴィッド・フィンチャーの出世作!

その斬新で衝撃的な内容で、全米で4週連続No.1のヒットを放ったデヴィッド・フィンチャーの出世作。類い希な前衛的ビジュアルセンスに加え、ノイズを駆使したアバンギャルドな音響設計でも才能を発揮し、これまで見たことのない独自の映像世界を構築して見せた。

若き熱血刑事ミルズには『リバー・ランズ・スルー・イット』で注目を浴び、『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』で人気を不動のものにしたブラッド・ピット。コンビを組むベテラン刑事サマセットを、『ドライビング Miss デイジー』『ショーシャンクの空に』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた名優モーガン・フリーマンが演じた。

音楽を担当したのは『羊たちの沈黙』『エドウッド』のハワード・ショア。エンドタイトルで流れるテーマをデヴィッド・ボウイが歌っているのも話題になった。

――公開当時のパンフレットより一部抜粋

羊たちの沈黙
The Silence of the Lambs

ジョナサン・デミ監督作品/1991年/アメリカ/119分/DCP/PG12/ビスタ

■監督・脚本 ジョナサン・デミ
■原作 トマス・ハリス
■脚本 テッド・タリー
■撮影 タク・フジモト
■編集 クレイグ・マッケイ
■音楽 ハワード・ショア

■出演 ジョディ・フォスター/アンソニー・ホプキンス/スコット・グレン/テッド・レヴィン/アンソニー・ヒールド/ダイアン・ベイカー/ケイシー・レモンス/ブルック・スミス

■第64回アカデミー賞作品賞・主演男優賞・主演女優賞・監督賞・脚色賞受賞ほか2部門ノミネート/第49回ゴールデン・グローブ女優賞受賞・作品賞ほか3部門ノミネート/第41回ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞 ほか多数受賞・ノミネート

Silence of the Lambs © 1991 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

【2025/8/30(土)~9/5(金)上映】

犯罪史上最悪の連続誘拐殺人に挑むFBI女性捜査官!

凄惨この上ない誘拐殺人事件が多発していた。被害者に共通するデータは、若く、大柄で、肉付きの良い白人女性。いずれも皮を剥がされていることから、見えざる犯人は“バッファロー・ビル”と呼ばれた。

クラリス・スターリング。数週間後に特別捜査官の身分を約束されたFBIアカデミーの訓練生。その日を目前に、上司のクロフォードにより、バッファロー・ビル追跡のスタッフに組み込まれる。

ハンニバル・レクター博士、またの名を“人食いハンニバル”。9人の患者を殺害して異常犯罪者用病院の最厳戒棟に収監されている。

捜査にてこずるFBIは、心理面から犯人像を割り出しを急ぎ、おぞましき殺人鬼ながら、頭脳明晰なレクターに協力を求める。その驚くべき任務についたのは、美しきルーキー、クラリスだった…。

アカデミー賞・作品賞ほか5部門を受賞したサイコ・サスペンスの代表作

原作はベストセラーとなったトマス・ハリスの同名小説。スリリングな展開、人間の心の闇を描いた巧みな人物描写、主演ふたりによる好演など、完成度の高さが評価された。第64回アカデミー賞作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞、脚色賞受賞。

【レイトショー】ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間 4K
【Late Show】Twin Peaks: Fire Walk with Me

デヴィッド・リンチ監督作品/1992年/アメリカ/135分/DCP/ビスタ

■監督・製作総指揮・脚本 デヴィッド・リンチ
■脚本 ロバート・エンゲルス
■撮影 ロン・ガルシア
■編集 メアリー・スウィーニー
■音楽 アンジェロ・バダラメンティ

■出演 シェリル・リー/レイ・ワイズ/メッチェン・エイミック/ダナ・アッシュブルック/カイル・マクラクラン/デヴィッド・ボウイ/キーファー・サザーランド

©1992 Twin Peaks productions. All Rights Reserved.

【2025/8/30(土)~9/5(金)上映】

世界一美しい死体の謎――

1988年、ワシントン州を流れる川で、テレサ・バンクスという少女の死体が発見された。FBIのゴードン地方捜査主任は捜査官デズモンドを現地に送り込むが、デズモンドは捜査の途中で謎の失踪を遂げてしまう。捜査に加わったクーパー捜査官は、再び事件が起こることを予感する。1年後、田舎町ツイン・ピークスでは、学校で人気者の高校生ローラ・パーマーが何かに怯え、セックスやドラッグに逃避する日々を過ごしていた。そしてある日、新たな事件が起こる。

誰が本当に“ローラ”を殺したのか? 犯行の全貌が、ここに初めて解明される!

世界中でブームを巻き起こしたデヴィッド・リンチ監督によるテレビドラマ「ツイン・ピークス」の前日譚を描いた劇場版。リンチ監督が自らメガホンをとり、テレビドラマ冒頭で死体となって発見された高校生ローラ・パーマーが殺害されるまでの出来事を描く。クーパー捜査官役のカイル・マクラクランらテレビドラマ版のキャストが続投したほか、デヴィッド・ボウイ、キーファー・サザーランドが新たに出演している。