【2026/7/25(土)~7/31(金)上映】『マーティ・シュプリーム』『ワン・バトル・アフター・アナザー	』// 特別レイトショー『ジャグラー/ニューヨーク25時』

ちゅんこ

ポール・トーマス・アンダーソンの最新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』はアクション映画だが、同時に父と娘の物語でもある。レオナルド・ディカプリオ演じる主人公のボブは、かつては「世界を変えたい」と願う革命家だったが、16年の歳月が流れた現在、年老いて毎日酒とマリファナに溺れる冴えない中年男になっている。そんな彼が愛娘ウィラを守るため、なりふり構わず必死に駆け回る姿は、観ている私たちの胸を熱くする。本作を観ていると、あわせて公開する『ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版』の類似性に気づく人も多いのではないか。

『ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版』の主人公ボイドはシングルファザーで、一人娘のキャシーと平凡だが幸福な日々を送っている。ところがキャシーの誕生日、ボイドの目の前で、最愛の娘が見知らぬ男に誘拐されてしまう。娘を助けるため、ボイドは地下鉄から街中まで、それこそ走って走って走りまくるのだが、これを実際に真昼間のニューヨークでCGなしで撮影したというから驚きだ。本作は1980年に日本でも公開されカルト的人気を誇るも、長らく観ることのできなかった幻の傑作と呼ばれている。

『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』は、他の2作とは毛色の違う作品になっている。主人公マーティは卓球プレーヤーとして天賦の才を持つが、同時に大ボラ吹きで夢想家のサイテー男として描かれている。これが呆れるのを通り越して清々しいまでに自分本位の男なのだ。そんな男が主人公なんて、本当に面白いの? と疑問に思いそうだが、心配なかれ。疾走感あふれる映像とユーモアが散りばめられた本作は、類を見ないオリジナリティあふれた魅力的な作品に仕上がっている。マーティが巻き起こす大騒動を見守っているうちに、いつしか彼のことが好きになっていることに気づくだろう。マーティは確かにサイテー男だけれど、彼がすごいのはたとえ他人からどう思われようと構わず、ひたすら夢に向かって突き進むことだ。そして、それまでマーティが自分のことしか考えないような人間であるからよけいに、彼が最後に見つけた“夢よりも大事なもの”の答えが観ている人の胸に響くに違いない。エンドロールに流れるティアーズ・フォー・フィアーズが1985年にリリースした楽曲「Everybody Wants to Rule the World」と共に、ぜひ見届けてほしい。

君の人生にようこそ
もう後戻りできない
みんなが寝ている時も
きっと君は命の限り走り抜く
自然の摂理に逆らって
誰もが世界を支配したがる
(「Everybody Wants to Rule the World」より)

ボブしかり、マーティしかり、ボイドしかり、本特集の主人公は、みんな何かに向かって走っている。彼らは何のために走り続けるのか。世界が大きく変わろうとする現代アメリカの息吹が感じられる3作。その躍動を、ぜひ劇場で体感してください。

マーティ・シュプリーム 世界をつかめ
Marty Supreme

ジョシュ・サフディ監督作品/2025年/アメリカ/149分/DCP/シネスコ

■監督 ジョシュ・サフディ
■製作 イーライ・ブッシュ/ロナルド・ブロンスタイン /ジョシュ・サフディ/ アンソニー・カタガス/ ティモシー・シャラメ
■脚本 ジョシュ・サフディ/ロナルド・ブロンスタイン
■撮影 ダリウス・コンジ
■編集 ロナルド・ブロンスタイン/ジョシュ・サフディ
■音楽 ダニエル・ロパティン

■出演 ティモシー・シャラメ/グウィネス・パルトロウ/オデッサ・アザイオン/タイラー・オコンマ/ケビン・オレアリー/川口功人/アベル・フェラーラ

■第98回アカデミー賞作品賞・監督賞・主演男優賞ほか6部門ノミネート/第83回ゴールデン・グローブ賞最優秀主演男優賞(ミュージカル/コメディ)受賞

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【2026/7/25(土)~7/31(金)上映】

夢は大きく 誰にも譲るな!

女たらしで嘘つきで自己中。だけど卓球の腕前だけはピカ一のマーティ。NYの靴屋で働きながら、世界チャンピオンになって人生一発逆転を目指す。そんな中、不倫相手のレイチェルが妊娠、卓球協会からは選手資格はく奪を言い渡される。万年金欠のマーティはありとあらゆる手を使って選手権への渡航費を稼ごうとするが…。

卓球・ルックス・トークスキル、持てるものすべてを使ってクソみたいな生活から這い上がれ! 最低でサイコーな男が見つけた”夢”のその先は——。

『君の名前で僕を呼んで』『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』で20代にして2度のアカデミー賞主演男優賞にノミネートし、今最も時代に愛される俳優ティモシー・シャラメ。そんな彼が今回演じるのは、卓球の世界チャンピオンになって人生一発逆転を狙う“最高の”最低男!? 監督・脚本を手掛けるのは弟ベニーと共に監督した『アンカット・ダイヤモンド』で批評家から絶賛されたジョシュ・サフディ。実在の卓球選手マーティ・リーズマンの人生に着想を得て、野心に燃える青年のアドレナリンに満ちた冒険を疾走感とユーモアたっぷりに描出。

ティモシーとサフディ監督のもとに集まったキャスト陣も超豪華!6年ぶりのスクリーン復帰となるグウィネス・パルトロウ、人気急上昇中の新星オデッサ・アザイオン、世界的ラッパーであるタイラー・ザ・クリエイターらに加え、マーティの宿敵となる日本人卓球選手のエンドウ役には東京2025デフリンピック卓球男子団体で銅メダルを獲得した川口功人が抜擢された。

マーティが世界を股にかけて起こす大騒動は、やがて熱を帯びながら心揺さぶるドラマへと変容していく。周囲から軽んじられようと、ひたすら利己的に栄光を追い求めたマーティが最後に見つけた、“夢より大事なもの”とは。50年代の日本を再現した上野恩賜公園で撮影された、手に汗握るクライマックスにも注目だ。

ワン・バトル・アフター・アナザー
One Battle After Another

ポール・トーマス・アンダーソン監督作品/2025年/アメリカ/162分/DCP/PG12/ビスタ

■監督・脚本 ポール・トーマス・アンダーソン
■原案 トマス・ピンチョン「ヴァインランド」
■撮影 マイケル・バウマン/ポール・トーマス・アンダーソン
■編集 アンディ・ユルゲンセン
■音楽 ジョニー・グリーンウッド

■出演  レオナルド・ディカプリオ/ショーン・ペン/ベニチオ・デル・トロ/レジーナ・ホール/テヤナ・テイラー/ チェイス・インフィニティ

■第98回アカデミー賞作品賞・監督賞・助演男優賞ほか3部門受賞/ 第83回ゴールデン・グローブ賞作品賞(コメディ/ミュージカル)・助演女優賞ほか2部門受賞

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【2026/7/25(土)~7/31(金)上映】

これは、逃走劇のフリをした闘争劇。

最愛の娘と平凡ながらも冴えない日々を過ごす元革命家のボブ。突然、娘がさらわれ、生活が一変する。異常な執着心でボブを追い詰める変態軍人“ロックジョー”。次から次へと襲いかかる刺客たちとの死闘の中、テンパリながらもボブに革命家時代の闘争心がよみがえっていく。逃げなければ、生き延びられない。だが、娘を救わなければ、父ではいられない…!!ボブのピンチに現れる“センセイ”の手を借りて、元革命家として逃げ続けた生活を捨て、戦いに身を投じたボブと娘の運命の先にあるのは、絶望か、希望か、それとも——。

映画史に新たな革命を起こす、怒涛のチェイスバトル、開幕!

ポール・トーマス・アンダーソン監督が20年以上の歳月をかけて書き上げた脚本と唯一無二の演出で新たな傑作を創り上げ、主演のレオナルド・ディカプリオはテンパる革命パパ・ボブを演じ、ボブを執拗に追う衝撃の〈変態軍人〉にショーン・ペン、神出鬼没な〈センセイ〉を演じたベニチオ・デル・トロという【全員オスカー受賞歴アリ】の超一級キャストが集結。変態軍人に命を狙われるボブの娘を演じた新鋭・チェイス・インフィニティ、ボブの妻であり、最強のカリスマ革命家を演じたテヤナ・テイラー、革命家仲間のレジーナ・ホールら豪華キャストの演技のアンサンブルも大きな見所だ。

プロデューサーは、オスカーとBAFTAにノミネートされたアダム・ソムナー、サラ・マーフィとアンダーソンで、製作総指揮をウィル・ワイスクが務める。撮影監督はマイケル・バウマンとアンダーソン、そして音楽はアカデミー賞・BAFTAノミネートの作曲家ジョニー・グリーンウッドが担当している。

【レイトショー】ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版
【Late Show】Night of the Juggler

ロバート・バトラー監督作品/1980年/アメリカ/101分/DCP/PG12/ビスタ

■監督 ロバート・バトラー
■原作 ウィリアム・P・マッギヴァーン「ジャグラー ニューヨーク25時」(早川書房刊)
■脚本 ビル・ノートン・Sr. /リック・ナトキン
■撮影 ヴィクター・J・ケンパー
■編集 アーガイル・ネルソン
■音楽 アーティ・ケイン

■出演 ジェームズ・ブローリン/クリフ・ゴーマン/リチャード・S・カステラーノ/ジュリー・カーメン/ダン・ヘダヤ

【2026/7/25(土)~7/31(金)上映】

白昼堂々、愛娘を誘拐された男が 走って走って走りまくり、体ひとつで犯人を追い詰める―。

70年代の終わり。まだ危険で猥雑だった頃のニューヨーク。それはいつもと変わらない平凡な朝の風景のはずだった。シングルファザーの元警官ボイドは、学校に送る途中の娘キャシーを、富豪の娘と人違いしたサイコな誘拐犯に連れ去られてしまった。警察はアテにならないばかりか、ボイドに恨みを持つ元同僚のイカれた巡査部長バーンズからは逆に追われるハメになる…。タクシー運転手、ポルノショップの女、不良グループ、動物登録所の娘…。都会に生きる様々な人々が入り乱れ、ノンストップの奪還劇が始まった!

世界中のファンが望みながらも、長らく観ることの出来なかった幻の傑作犯罪アクションが4K修復を経て遂にスクリーンに甦る!!

その息つく間もないスピード感と臨場感溢れる演出で、1980年に日本でも劇場公開されカルト的人気を誇るものの、権利問題から長らく鑑賞が難しく、配信はおろか80年代に一度VHSが発売されただけの幻の傑作が、4K修復され遂に劇場のスクリーンに還って来る!

原作はアメリカを代表するベストセラー作家ウィリアム・P・マッギヴァーンの同名小説。監督は『乱気流/タービュランス』他の俊英ロバート・バトラー。主演は『カプリコン・1』のジェームズ・ブローリン。全編ニューヨークロケで撮影された、CGとは無縁の、生身の人間による迫真のアクションシーンは、映画本来の愉しさに満ち、誰もが血沸き肉躍ること間違いなし。