
もっさ
今週の早稲田松竹は、「一度きりの人生を自分らしく生きるために」と題して心温まる珠玉の3作品を上映いたします。
『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』はゲイであることを隠しているフンスと、周囲から“イカレ女”とあだ名をつけられるほど自由奔放なジェヒ。正反対な二人が意気投合し、理解を深めながら自分らしく生きてゆく姿を描きます。二人の友情が熱くて、友情以上のものを見ている感じ…バディムービーという言葉がしっくりきます。序盤にジェヒが言う「あんたらしさがなんで弱みになるの?」というセリフにすっかり胸を掴まれました。そして、後半にまた別の形で登場するこのセリフにとどめを刺され涙腺崩壊。とてもポップで明るい作品ですが、今年一番泣いた作品かもしれません。
一方、『We Live in Time この時を生きて』は夫婦の愛の物語。衝撃的な出会いをして恋に落ちたトビアスとアルムート。二人の間には娘も生まれ幸せに過ごす中、アルムートの余命がわずかと知り…。あらすじだけ読むと、王道の余命もの感動ストーリーなのですが、本作はちょっぴり変わった描かれ方をしています。出会いから物語の終わりまでの数年間、アルムートの余命を知ってからの半年間、そして二人にとって大切なとある1日、この3つの時間軸が交差する構成になっているのです。二人の人生を眺めるというより、その時その時をどう生きるのか、共に噛みしめるような…死に近づく悲しさよりも、生きることの喜びを強く感じられる作品です。
レイトショーでは『アバウト・タイム 愛おしい時間について』を上映いたします。21歳になるとタイムトラベルできるようになる主人公、という謎の設定がオモシロおかしいSFラブコメですが、途中まで笑ってのほほんと観ていたのに、気が付けばかけがえのない日々の尊さに、胸がジーンと熱くなりました。10年以上前の作品ですが、何度観ても、観る人のライフステージが変わるごとに違った味わい方ができる、大傑作だと思います。
「自分らしさ」って一言では言い表せないし、自分でも把握できていないかもしれません。でも、今週の3作品を観て思ったんです。人は何かを選択するときに自分らしさが出るのかもしれないと。人生には選択がつきものだけど、世間や誰かに合わせるのではなく、“自分がどうしたいのか”が大切で、それがきっと毎日をスペシャルにするのだと、背中を押された気持ちです。映画の中の彼らが選んだ道が愛おしいと感じるのと同じように、自分がこれまで選んできた道も、これから進む道も「私らしくていいじゃん!」と思って生きていきたいですね。
We Live in Time この時を生きて
We Live in Time
■監督 ジョン・クローリー
■脚本 ニック・ペイン
■製作総指揮 ベネディクト・カンバーバッチ/オリー・マッデン/ダニエル・バトセク ほか
■撮影 スチュアート・ベントリー
■編集 ジャスティン・ライト
■音楽 ブライス・デスナー
■出演 フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド/グレース・デラニー/リー・ブライスウェイト/イーファ・ハインズ
© 2024 STUDIOCANAL SAS – CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION
【2025/10/4(土)~10/10(金)上映】
君は、僕の、永遠。
新進気鋭の一流シェフであるアルムートと、離婚して失意のどん底にいたトビアス。何の接点もなかった二人が、あり得ない出会いを果たして恋におちる。自由奔放なアルムートと慎重派のトビアスは何度も危機を迎えながらも、一緒に暮らし娘が生まれ家族になる。そんな中、アルムートの余命がわずかだと知った二人が選んだ型破りな挑戦とは──。
<限りある時間>を最高の輝きに変えた二人 愛と感動に溢れた人生賛歌
本作はアカデミー賞で作品賞を含む3部門にノミネートされた『ブルックリン』のジョン・クローリー監督の最新作。エッジの効いた実験的な作品を製作・配給するスタジオA24が、真正面から<愛>を描いた物語の配給権を獲得したことでも注目された。
主演は『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』でアカデミー賞にノミネートされたフローレンス・ピューと、『ハクソー・リッジ』を始め2度同賞にノミネートされたアンドリュー・ガーフィールド。観る者の胸をはり裂けんばかりに「愛おしい」と思わせるキャラクターを演じきった。
忘れたふりをしているけれど、私たちはみんな<限りある時間>を生きている。限られているからこそ、美しくかけがえのないこの一瞬一瞬を、今すぐ大切な人と分かち合いたいと思わせてくれる、宝もののような物語。
ラブ・イン・ザ・ビッグシティ
Love in the Big City
■監督 イ・オニ
■原作 パク・サンヨン「ジェヒ」(亜紀書房刊『大都会の愛し方』より)
■脚本 キム・ナドゥル
■撮影 キム・ヒョンジュ
■音楽 プライマリー
■出演 キム・ゴウン/ノ・サンヒョン/ チョン・フィ/オ・ドンミン/チャン・ヘジン/イ・サンイ/クァク・ドンヨン/チュ・ジョンヒョク/イ・ユジン
■第61回百想芸術大賞映画部門 作品賞含む5部門ノミネート/第49回トロント国際映画スペシャル・プレゼンテーション部門公式出品/2024年今年の女性映画人賞演技賞・監督賞受賞/第45回青龍映画賞新人俳優賞・最優秀音楽賞受賞/第11回韓国映画製作家協会賞新人俳優賞受賞
©2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.
【2025/10/4(土)~10/10(金)上映】
人生はありのままの君でいい。
自由奔放でエネルギッシュなジェヒと、穏やかで繊細なフンス。正反対の二人が、ある出来事をきっかけに特別な契約を結び、一緒に暮らし始めることに! ジェヒは奔放な恋愛を楽しみながら、世間のルールに縛られず、自分の価値観を大切にして自由に生きている。
一方、フンスはゲイであることを周囲に隠しながら、孤独と向き合う日々を送っている。二人はお互いの違いを認め合い、次第にかけがいのない存在となっていくーー。しかし、ジェヒが人生の大きな転機に立たされ、フンスも初めて心を許した恋人との関係に悩む中で、二人の友情は予期せぬ形で試されることになる…。
笑って、泣いて、前を向く――あなたに贈る最高のエール!
他人の目を気にせず自由奔放に生きるジェヒと、秘密を抱え孤独に生きるフンス。正反対の二人が出会い、同居したことから始まる、「自分らしい生き方」を見つける物語。原作は世界三大文学賞「国際ブッカー賞」や「ダブリン文学賞」にノミネートされたパク・サンヨンのベストセラー小説。監督のイ・オニは本作で「2024年今年の女性映画人賞」で監督賞を受賞。多彩なジャンルで卓越した演出力を発揮する、韓国映画界の注目の監督の一人である。
主演は『破墓/パミョ』で百想芸術大賞・女性最優秀演技賞を受賞したキム・ゴウンと世界的話題作「パチンコ」で注目を集めた新鋭ノ・サンヒョン。さらに『パラサイト 半地下の家族』「愛の不時着」のチャン・ヘジン、「涙の女王」のクァク・ドンヨン、「海街チャチャチャ」のイ・サンイら豪華キャストが集結! 華やかな都会の裏にある孤独、愛の多様性、そして真の友情と向き合い、時に傷つきながらも自分らしく生きようと奮闘する姿を、ソウルを舞台に描くハートフル・ストーリー!
【レイトショー】アバウト・タイム 愛おしい時間について
【Late Show】About Time
■監督・製作総指揮・脚本 リチャード・カーティス
■製作 ティム・ビーヴァン/エリック・フェルナー/ニッキー・ケンティッシュ・バーンズ
■製作総指揮 ライザ・チェイシン/アメリア・グレンジャー
■撮影 ジョン・ガレセリアン
■編集 マーク・デイ
■音楽 ニック・レアード=クロウズ
■出演 ドーナル・グリーソン/レイチェル・マクアダムス/ビル・ナイ/トム・ホランダー/マーゴット・ロビー/リンゼイ・ダンカン
© Universal Pictures
【2025/10/4(土)~10/10(金)上映】
今日という日を生きる。それが人生を素敵にする――。
イギリス南西部に住む青年ティムは、両親と妹、そして祖父の、風変りだけど仲良しな家族と暮らしている。しかし、自分に自信のないティムは彼女がいないのが悩み。そして迎えた21歳の誕生日、父から衝撃の事実を知らされる。一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があるというのだ…。
やがて弁護士を目指してロンドンへ移り住んだティムは、チャーミングな女の子メアリーと出会い、恋に落ちるのだが――。
平凡な青年が愛する家族のためにタイムトラベルを繰り返し、やがてたどり着く究極の結末とは?
『ノッティングヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』などで敏腕脚本家として名をあげ、大ヒット作『ラブ・アクチュアリー』で長編監督デビューを果たしたリチャード・カーティス。3作目にして最後の長編監督作となるのが本作である。「時間を巻き戻せたら違う道を選んでいた」という、生きていれば誰しもの頭をよぎる思いをベースに、恋人、友人、そして家族というかけがえのない人たちへの愛を解く人生讃歌だ。
主人公ティムを演じるのは、アイルランド出身で『エクス・マキナ』『ブルックリン』に出演のドーナル・グリーソン。相手役には『きみに読む物語』や『ミッドナイト・イン・パリ』のレイチェル・マクアダムス。また、カーティス組常連のビル・ナイなど、実力派俳優たちが映画にリアルな重みと華を添えている。
なにげない平凡な一日が大切な一日に変わり、当たり前のように身近にいた人たちに感謝をしてまた大好きになる…。そんな世代を超えた普遍的なメッセージは、世界中で感動の嵐を巻き起こし、本国イギリスでは初登場1位を獲得。日本でも半年以上のロングヒットを記録し、2024年には日本公開10周年を記念してリバイバル上映された。























