【2026/8/1(土)~8/7(金)上映】『ドイツ零年』『新ドイツ零年』//『マホルカ=ムフ』+『妥協せざる人々』//『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』

ドイツ零年
Germany Year Zero

ロベルト・ロッセリーニ監督作品/1948年/74分/イタリア/DCP/スタンダード

■監督 ロベルト・ロッセリーニ
■脚本 ロベルト・ロッセリーニ/マックス・コルペット /カルロ・リッツァーニ

■出演 エドムント・メシュケ/エルンスト・ピットシャウ/インゲトラウト・ヒンツェ/フランツ・クリューガー

©Cinecittà Luce, CSC – Cineteca Nazionale, Cineteca di Bologna, Coproduction Office.

【2026/8/1(土)~8/7(金)上映】

戦後/苦難ゆえに。

ナチス・ドイツ崩壊後のベルリン。病弱で寝たきりの父、元ナチ党員で警察を恐れて家に引きこもる兄、家計を助けながら父の看病をする姉と、間借りした狭い部屋に暮らす少年エドモンドは、父と兄に代わってお金を稼ぐために、学校にも行かず、毎日廃墟のような街をさまよっている。ある日、エドモンドは小学校の担任教師だったエニングに街中で出会う。学校を追放され、今は闇商売に手を染めるエニングが説くナチス思想に、無垢なエドモンドは次第に感化され…。

ナチスドイツが崩壊した1945年=[ゼロ年] 一人の少年を通して描かれる 戦争がもたらす残酷さ

「無防備都市」「戦火のかなた」に続いてR・ロッセリーニが、ベルリン・ロケで撮影したネオ・レアリスモを代表する1作。第二次大戦直後、焼けあとのベルリンの廃墟に生きのびた一家がいた。父は病に伏し、娘は外人相手に体を売って家計を助ける。ナチ党員の生き残りの長男は毎日ゴロゴロしている。末っ子のエドムント少年はヤミ屋の手先として働いていたが、ある日昔の小学校の教師に出会い、弱い者は死ぬべしという思想を吹き込まれ、病床の父に毒を盛る……。オールロケ、俳優は全員素人で作られ、作りものの感情を排してあくまで冷徹な目で荒廃した人間性を見つめ、後の世代に大きな影響を与えた作品。

新ドイツ零年
Germany Year 90 Nine Zero

ジャン=リュック・ゴダール監督作品/1991年/フランス/62分/DCP/スタンダード

■監督・脚本 ジャン=リュック・ゴダール
■撮影 クリストフ・ポロック/ステファン・ベンダ/アンドレアス・エルバン

■出演 エディ・コンスタンティーヌ/ハンス・ツィシュラー/クラウディア・ミヒェルゼン/アンドレ・ラバルト

©BRAINSTORM 1991. Licensed through ECM Records GmbH

【2026/8/1(土)~8/7(金)上映】

統一/孤独ゆえに。

前年にベルリンの壁が崩壊した 1990 年のドイツ。西ドイツ側のスパイとして東ベルリンに 30 年間潜伏していた諜報員レミー・コーションのもとへ、軍情報部のゼルテン伯爵がやってくる。「すべて終わった」と告げられたレミーは、彼に勧められるがまま、西側への帰還を目指して東ドイツを大きく迂回する旅に出る。トーマス・マンの小説の登場人物を思わせる娘シャルロッテや、ドン・キホーテとサンチョ・パンサなど、様々な人々と出会いながらレミーは西側にたどり着く…。

東西ドイツが統合された1990年=[ゼロ年] 東ドイツに潜伏していた老スパイの“西”への帰還の旅

1990年代ゴダールの幕開けを高らかに宣した、内省的な、そして孤独な映像詩。ベルリンの壁が崩壊した1990年。旧東ベルリンに潜入していたスパイ、レミー・コーションを捜し出すべく、元軍事情報部のゼルテン伯爵が動いていた。やがてゼルテンは、小さな町の美容院に身を隠していたコーションを発見、二人は西を目指す……。旧東ベルリン市内をめぐりながら、次々と引用されるドイツ文学、ドイツ的なるものへのオマージュと追想。切り刻まれた音(楽)と、孤独の翳りを帯びた映像のポエジー。1980年代を“光への闘争”としてきたゴダールがたどりついた、哲学する映画とも言いうる一編。主役には、「アルファヴィル」のE・コンスタンティーヌ。当初は58分の作品だったが、ヴェネチア映画祭に出品する際、出品規定(60分以上)に合わせるべく4分が追加され、現在ある形となった。

マホルカ=ムフ(短編)
Machorka-Muff

ジャン=マリー・ストローブ | ダニエル・ユイレ監督作品/1962年/西ドイツ/18分/35mm/スタンダード

■監督 ジャン=マリー・ストローブ/ダニエル・ユイレ
■原作 ハインリヒ・ベル「ハインリヒ・ベル短篇集「首都日誌」」(岩波文庫刊)
■撮影 ヴァンデリン・ザハトラー

■出演 エーリヒ・クービー

所蔵:神戸ファッション美術館

【2026/8/1(土)~8/7(金)上映】

ストローブ=ユイレの初短編作品。

ハインリヒ・ ベルの短編「首都日誌」に基づき、西ドイツの首都ボンを舞台に、元ナチの軍人マホルカ=ムフを通し、戦後の再軍備をユーモラスに風刺する。

元ナチ軍人マホルカ=ムフ役には、西独映画「スキャンダル」 (59)の原案・脚本を手がけた作家・ジャーナリストのエーリヒ・クービー (1910-2005)が扮している。撮影は、1962年9月にボンとミュンヘンで3週間にわたって(実質10日間)行なわれた。

妥協せざる人々
Not Reconciled or Only Violence Helps Where Violence Rules

ジャン=マリー・ストローブ | ダニエル・ユイレ監督作品/1964-65年/西ドイツ/55分/35mm/スタンダード

■監督・脚本・編集 ジャン=マリー・ストローブ/ダニエル・ユイレ
■原作 ハインリヒ・ベル「九時半の玉突き」(白水社刊)
■撮影 ヴァンデリン・ザハトラー

■出演 へニング・ハルムセン/ハインリヒ・ハーゲスハイマー/マルタ・シュテントナー/シャルゲスハイマー/ダニエル・ユイレ/ウルリヒ・フォン・テューナ/ハイナー・ブラウン

所蔵:神戸ファッション美術館

【2026/8/1(土)~8/7(金)上映】

映画という形式の革新の試み ストローブ=ユイレの特異な映画製作の出発点

ストローブ=ユイレの監督第2作。本編はハインリヒ・ベルの長編小説「九時半の玉突き」を原作とし、フェーメル家3代の家族物語の中に20世紀前半ドイツの激動の歴史を描き出す。ケルンのあるホテルを中心に、一家の家長であるハインリヒ・フェーメルの誕生日に起きたいくつかの象徴的な出来事を提示しつつ、三世代にまたがる建築家一族の数奇な歴史を語りながら、戦後も権力を掌握し続ける旧ナチ関係者を痛烈に風刺する。

撮影は1964年8月から9月に6週間と65年4月に2週間、ケルンとアイフェル地方、ミュンヘンとその近郊の45箇所で行なわれている。

アンナ・マグダレーナ・バッハの日記
The Chronicle of Anna Magdalena Bach

開映時間 19:30(~終映21:05)
ジャン=マリー・ストローブ | ダニエル・ユイレ監督作品/1967-68年/西ドイツ・イタリア/93分/35mm/スタンダード

■監督・脚本・編集 ジャン=マリー・ストローブ/ダニエル・ユイレ
■撮影 ウーゴ・ピッコーネ/サヴェ―リオ・ディアマンティ/ジョヴァンニ・カンファレッリ/ハンス・クラハト/ウーヴェ・ラドーン/トーマス・ハルトヴィヒ
■演奏 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス/バーゼル・スコラ・カントルム/ハノーファ少年合唱間

■出演 グスタフ・レオンハルト/クリスティアーネ・ラング/ニコラウス・アルノンクール

所蔵:神戸ファッション美術館

バッハ演奏史上の貴重なドキュメント 禁欲的な美学に貫かれた映画芸術史上の金字塔

10数年の構想を経て実現したストローブ=ユイレの原点となる野心作。バロック期の大作曲家J・S・バッハの後半生を、演奏場面を中心に妻の視点から語る。現代のバッハとも呼ばれるオランダ出身の鍵盤楽器奏者、指揮者グスタフ・レオンハルト、バロック時代の音楽の時代様式にふさわしい楽器や演奏情習に基つく演奏解釈の美学的可能性を究めたこの巨匠がバッハを演じ、 各時代、各ジャンルの数々の名曲を指揮・演奏する。