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今週は話題の邦画二本立て、『さよなら歌舞伎町』『百円の恋』を上映いたします。両作品とも、小説やマンガなどを原作することの多い日本映画の中では数少ない、オリジナル作品です。

『さよなら歌舞伎町』は新宿・歌舞伎町のラブホテルを舞台に、さまざまな男女の人間模様を描く恋愛群像劇。ラブホテルの店長とミュージシャン志望の恋人、時効が迫った逃亡犯の二人、風俗スカウトマンと家出少女、逢瀬を重ねる不倫刑事の男女、日本で暮らす韓国人カップル…。5組それぞれのドラマが描かれ、各々のエピソードには独立した短編映画のような面白さがあります。

脚本家・荒井晴彦さんのオリジナル脚本を、廣木隆一監督が映像化した本作。二人とも浮き沈みの激しい映画界で、長きにわたり第一線で活躍し続けている超ベテランの映画人です。彼らのしっかりとしたプロの技術はまさに職人技。緻密にかつ丁寧につくられた物語の構成と、たくさんの登場人物の心情を繊細に描くその手腕には、本当にほれぼれとさせられます。

『百円の恋』は実家にひきこもって自堕落な毎日を送る32歳の女性が、ボクシングを始めることで新たな人生をスタートさせる再生の物語。物語の前半では、何においても無気力な主人公が、後半ボクシングを始めて以降、それまでのフラストレーションを爆発させるかのように、必死に練習に打ち込み、リングで戦う、その姿には激しく心を揺さぶられます。

本作は山口県の周南映画祭で行われた脚本コンクール「松田優作賞」を受賞したことをきっかけに映画化されたのですが、脚本自体はずいぶん前からあったそうです。当時映画の仕事がない状態だった脚本家の足立紳さんと武正晴監督。そこで『百円の恋』の脚本をつくり各方面に売り込むも、名の売れていない二人は全く相手にされませんでした。それでもあきらめきれずに賞に応募したところ、見事グランプリを獲得。映画化までこぎつけ、数々の賞を受賞し、ロングランヒットとなったのです。これはまさに劇中で、相手にいくら打たれても立ち上がり続ける主人公の姿と重なります。「何とか這い上がってやるんだ」という、つくり手の気持ちが画面からあふれ出てくるような、力強さを持った作品です。

タイプは違ってもつくり手の姿勢が伝わってくる両作品。ぜひその想いを感じていただければと思います。

(かわうそ)

さよなら歌舞伎町
(2014年 日本 135分 DCP R-15plus ビスタ) pic 2015年7月25日から7月31日まで上映 ■監督 廣木隆一
■脚本 荒井晴彦/中野太
■撮影 鍋島淳裕
■編集 菊池純一
■音楽 つじあやの
■主題歌 「Believe in love」meg with SWEEP(Gambit Entertainment)

■出演 染谷将太/前田敦子/イ・ウンウ/ロイ/樋井明日香/我妻三輪子/忍成修吾/大森南朋/田口トモロヲ/村上淳/河井青葉/宮崎吐夢/松重豊/南果歩

■第39回トロント国際映画祭「Contemprary World Cinema」部門正式出品」/第19回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門正式出品

新宿 歌舞伎町のラブホテル。
愛がみつからない大人たち、
男と女が交錯する、かけがえのない1日

pic一流ホテルマンと周囲に偽る歌舞伎町のラブホテルの店長・徹。彼は有名ミュージシャンを目指す沙耶と同棲しているがちょっぴり倦怠期。勤め先のラブホテルでいつもの苛立つ1日を過ごすはずだった。そこに集まる年齢も職業も違う訳アリな男と女たち。彼らの人生が鮮やかに激しく交錯した時にあらわれる欲望や寂しさ、そして秘密。徹の人生もまた予期せぬ方へ変わっていく…。

旬のキャスト、一流のスタッフが紡ぐ、
笑って泣ける、大人の恋愛群像ドラマ

pic主演の徹役は、若手実力派として『寄生獣』など話題作に次々と出演する染谷将太。その相手役・沙耶にトップアイドルから本格派女優としての道を歩む前田敦子。時効が明日に迫った逃亡犯の二人を南果歩と松重豊。出会ったばかりの風俗スカウトマンと家出少女に忍成修吾と我妻三輪子。逢瀬を重ねる不倫刑事カップルに河井青葉と宮崎吐夢。そして、日本で暮らす韓国人の恋人同士を、キム・ギドク監督の衝撃作『メビウス』に出演のイ・ウンウと、人気アイドルグループ「5tion」のロイが演じている。また、大森南朋、村上淳、田口トモロヲが、彼らの人生とすれ違う男たちに扮して印象深い。

pic監督はメジャーからインディペンデントまで多彩な作品を手掛け、官能的な映像で男女の心の機微をすくい取ってきた廣木隆一。本作では、人生にもがく人々の姿、その希望と再生をユーモアを交え、リアルに温かく描く。脚本は日本映画を挑発する数々の名作・衝撃作を生み出してきた荒井晴彦。日本の映画史に名を残す二人の名匠が、『ヴァイブレータ』、『やわらかい生活』に続き、3度目のコラボレーションを果たした。そして、音楽は映画音楽を初めて手掛けるつじあやの。さらにmeg with SWEEPの主題歌がエンディングを彩る。

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百円の恋
(2014年 日本 113分 DCP R-15plus ビスタ) pic 2015年7月25日から7月31日まで上映 ■監督 武正晴
■脚本 足立紳
■撮影 西村博光
■編集 洲崎千恵子
■音楽 海田庄吾
■主題歌 「百八円の恋」クリープハイプ(ユニバーサルシグマ)

■出演 安藤サクラ/新井浩文/稲川実代子/早織/宇野祥平/坂田聡/沖田裕樹/吉村界人/松浦慎一郎/伊藤洋三郎/重松収/根岸季衣

■第1回松田優作賞グランプリ作品/第27回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門作品賞受賞/2014年日本映画プロフェッショナル大賞作品賞・監督賞受賞・ベスト10第1位

時価百円の女・一子、32歳。
傷だらけの恋と闘いの物語。

pic32歳の一子は実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていた。ある日、離婚し子連れで実家に帰ってきた妹の二三子と同居をはじめるが折り合いが悪くなり、家を出て一人暮らしを始める。夜な夜な買い食いをしていた百円ショップで深夜労働にありつくが、そこは底辺の人間たちの巣窟だった。

心に問題を抱えた店員たちとの生活を送る一子は、帰り道にあるボクシングジムで、一人でストイックに練習するボクサー・狩野を覗き見することが唯一の楽しみとなっていた。ある夜、その狩野が百円ショップに客としてやってくる。彼がバナナを忘れていったことをきっかけに2人は距離を縮めていく。なんとなく一緒に住み始め、体を重ねるうちに、一子の中で何かが変わり始める――。

第一回「松田優作賞」グランプリ脚本、堂々の映画化!

pic 故・松田優作氏の出身地である山口県周南映画祭で新設された第一回「松田優作賞」グランプリ脚本 『百円の恋』が待望の映画化。『イン・ザ・ヒーロー』の武正晴監督が、冴えない毎日を生きるヒロイン・一子のどん底からの再生と強い生き様、そして人間の弱さと強さを真っ向から描き切った。

pic不器用にしか生きられない女・一子を演じるのは今の日本を代表する実力派若手女優・安藤サクラ。700通もの応募があったオーディションを見事勝ち抜き、ヒロインの座を射止めた。その一子というキャラクターと心中せんばかりの熱演は圧巻の一言。さらに一子の恋人・狩野役の新井浩文を筆頭に、根岸季衣、伊藤洋三郎ら個性的な実力派俳優たちが集結しておくる骨太な人間ドラマが、観る者の心を熱く震わせる!

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