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ロウ・イエ

■監督 ロウ・イエ

1965年、劇団員の両親のもと上海に生まれる。

北京電影学院の卒業製作映画『デッド・エンド 最後の恋人』でデビュー。長編2作目『ふたりの人魚』は中国国内で上映を禁止されながらも、ロッテルダム国際映画祭とTOKYO FILMeXでグランプリを獲得。2006年の『天安門、恋人たち』は、その内容から当局より5年間の映画製作・上映禁止処分を言い渡される。

しかし、禁止処分の最中にゲリラ撮影で『スプリング・フィーバー』を完成させ、カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。続く『パリ、ただよう花』はヴェツィア国際映画祭、トロント国際映画祭ヴァンガード部門に正式出品された。

2011年に禁令が解け、中国本土に戻って撮影された『二重生活』(2014年日本公開予定)は、カンヌ国際映画祭ある視点部門に正式招待。現在、中国現代文学の代表的作家ピー・フェイウーの『Massage/按摩(原題)』を原作にした新作を製作中である。

filmography

デッド・エンド/最後の恋人('94)監督
危情少女('95)監督
ふたりの人魚('00)監督/脚本
パープル・バタフライ('03)監督/製作/脚本
天安門、恋人たち('06)監督/脚本
スプリング・フィーバー('09)監督
パリ、ただよう花('11)監督/脚本
二重生活('12)監督/脚本

こんなにやるせなく春風に酔うような夜は
わたしはいつも明け方まで方々歩き回るのだった
     ―――郁達夫「春風沈酔の夜」より

春の夜はなぜか落ち着かない。
さみしいような、うれしいような、切ないような、
得体の知れない感覚に襲われる。
出会いと別れが交錯する季節だからだろうか。
ふいに、誰かのことを思う。
生暖かい風と、匂いが、心をざわつかせる。

『スプリング・フィーバー』を観たとき、
私の心はまさに、春の夜に連れ去られたようになった。
それはあまりにも純粋なラブ・ストーリーだった。
孤独を求めながら誰かと繋がっていたい、はざまの感情。
誰かを愛し、誰かに愛されるということは、
誰かを裏切り、誰かを傷つけることでもある。
映画は、恋愛の、もっとも根源的な部分を見つめていた。

『パリ、ただよう花』のホアとマチュー。
人種も、仕事も、生き方も全て違うふたりの恋愛。
頭で考える"好き"ではなく、
心と身体がお互いを求めてしまう。
そこには安定も、癒しも優しさもなくて、
あるのは激しくて刹那的な感情だけだ。

永遠の愛が存在するかどうか、私にはわからない。
恋愛における"永遠"というものに、どれほどの価値があるのだろう。
狂おしいほど誰かを愛しても、
その気持ちはいつか消えてしまう。
逆に言えば、いつかは消えてしまうものだから、
どうしようもないほど誰かを愛すことができるのかもしれない。

「愛情はまず身体が感じるもので、
それは思想や道徳などに先んじて存在する感覚だ。
だから愛情は人自体に最も近いものでもあり、
人間的で美しく、また危険でもある。」
     ―――ロウ・イエ(『パリ、ただよう花』パンフレットより)

ロウ・イエは常に、
愛というものを、繊細に、けれど包み隠さず描いてきた。
それはごまんとある恋愛映画のなかであまり見ることのない丸裸な感情だ。
彼の作品は、私たちの頭にではなく、心と身体に突き刺さる。

愛は、揺れる、ただよう、不確かなもの。
だからロウ・イエの映画は、春の夜がよく似合う。

(パズー)

「愛しているなら、
死ぬまで私を探して。
人魚になった私を」

"僕"は上海でビデオの出張撮影を生業としていた。ある日、撮影先のパーティーで"僕"は水槽の中で泳ぐ美しい人魚に一目惚れする。人魚に扮した娘はメイメイと名乗った。付き合い始めた"僕"とメイメイ。しかし彼女はとらえどころがなく、ある日、彼女をかつての自分の恋人・ムーダンだと言い張る男が現れた…。

中国ニューウェーブを代表するロウ・イエが
現代の上海を舞台に描く
ロマンティック・サスペンス

ロッテルダム国際映画祭でグランプリに該当するタイガー・アワードを受賞した『ふたりの人魚』。インディペンデント・プロダクションによる映画製作が始まり出した2000年代の中国映画界で、海外との合作を行うなどして新しい中国映画の形を打ち出した。デビュー作『デッド・エンド 最後の恋人』で注目された監督ロウ・イエは、本作も世界23ヶ国以上で公開され絶賛を浴びた。

ミステリアスに錯綜していく二つの恋。果たして"僕"の恋した女は誰だったのか? 上海をゆるやかに流れゆくスージョウ河を背景に、切ない恋人たちの物語がつづられる。

ふたりの人魚
蘇州河/Suzhou River
(2000年 中国/ドイツ/日本 83分 35mm ビスタ/SR) pic 2014年4月19日から4月25日まで上映■監督・脚本 ロウ・イエ
■製作 ナイ・アン/フィリップ・ボバー
■撮影 ワン・ユー
■音楽 ホルグ・レンバーグ

■出演 ジョウ・シュン/ジア・ホンシュン/ナイ・アン/ヤオ・アンリェン

■2000年東京フィルメックス最優秀作品賞受賞/ロッテルダム国際映画祭タイガー・アワード受賞/パリ国際映画祭最優秀主演女優賞受賞(ジョウ・シュン)

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スプリング・フィーバー
春風沈酔的晩上/SPRING FEVER
(2009年 中国/フランス 115分 35mm R15+ ビスタ/SRD) pic 2014年4月19日から4月25日まで上映 ■監督 ロウ・イエ
■製作 ナイ・アン/シルヴァン・ブルシュテイン
■撮影 メイ・フォン
■音楽 ペイマン・ヤザニアン

■出演 チン・ハオ/チェン・スーチェン/タン・ジュオ/ウー・ウェイ/ジャン・ジャーチー

■2009年カンヌ国際映画祭脚本賞受賞

■オフィシャルサイト http://www.uplink.co.jp/springfever/

狂おしいほどの欲望と、絶望。
移ろい、漂う、心と身体。

pic現代の南京。女性教師リンは、夫ワンが浮気をしているのではないかと疑い、その調査を探偵ルオに依頼する。尾行の結果、夫の浮気相手はジャンという"青年"であることが判明する。リンは激昂し夫婦関係は破綻、ジャンの心もワンから離れていってしまう。

一方、尾行するうちにジャンのことが気になり始めた探偵のルオは、ジャンに近づく。次第に惹かれあうふたり。しかし、ルオにはリー・ジンという恋人がいた。ジャン、ルオ、リー・ジン。それぞれの想いを胸に、奇妙な三人の旅が始まった…。

中国で映画制作を禁じられたロウ・イエが描く
最も純粋なラブ・ストーリー

pic「この映画は、純粋なラブストーリーです。 日常に生活する人と人の間に起きる心の衝動を描きました」と語るロウ・イエ監督。前作『天安門、恋人たち』で当局より5年間の映画製作・上映禁止処分を受けたにもかかわらず、家庭用デジタルカメラでゲリラ撮影を敢行し本作を完成させた。

現代の南京を舞台に、"春の嵐"(スプリング・フィーバー)により掻き乱された一夜を彷徨うかのような、男女五人。寡黙ながらも激しい感情をデジタル映像が捕らえた静謐な画面からは、複雑に絡みあう想いと衝動が溢れ出し、 南京の日常の中で紡がれる普遍的な愛の物語が浮かび上がる。劇中で恋人たちが朗読するのは、高校の教科書にも載っているというほどポピュラーな中国の作家 郁達夫(ユイ・ダーフ)の「春風沈酔の夜」の中の一節。 社会という体制の中で移ろう個人の感情を繊細に描いたこの作品は、映画の原作ではないものの、本作に色濃く影響を与えている。

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パリ、ただよう花
LOVE AND BRUISES
(2011年 フランス/中国 105分 DCP ビスタ) pic 2014年4月19日から4月25日まで上映 ■監督・脚本 ロウ・イエ
■原作・脚本 リウ・ジエ
■製作 クリスティナ・ラルサン/パスカル・コシュトゥー
■撮影 ユー・リクウァイ
■編集 ジュリエット・ウェルフラン
■音楽 ペイマン・ヤザニアン

■出演 コリーヌ・ヤン/タハール・ラヒム/ジャリル・レスペール/ヴァンサン・ロティエ/チャン・ソンウェン

■2011年ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ正式出品/トロント国際映画祭正式出品

■オフィシャルサイト http://www.uplink.co.jp/hana/

※本作は15歳以上がご覧になれます。

どんなにセックスを重ねても
愛には届かない

pic北京からパリにやってきたばかりの若い教師、花(ホア)。なじみのない街で彼女は様々な男と体を重ね、自分の狭いアパートと大学の間、かつての恋人たちとフランスで新たに出会った人々の間を漂う。ある日、建設工のマチューという男と出会う。一目で恋に落ちた二人は、激しく肉体を求め合う。お互い、秘密を抱えたまま…。

パリ、北京、二つの都市で
居場所を求めてさまよう女の「愛の問題」を描く、
ロウ・イエ版『ラストタンゴ・イン・パリ』

pic異なる人種や文化、暴力と優しさ、愛とセックスのはざまで揺れ動くある女性の"愛の問題"を描いた本作。原作は、リウ・ジエが自身の体験をもとにインターネット上で発表した小説「裸」。ロウ・イエにとって初の原作作品だが、ロウ・イエはこの小説を映画化しようとした理由をこう語る。「僕が常に興味を持っている"愛"というテーマを、女性の視線で率直かつ正直に、人間的な視線で提示していました。愛は人間にとって日常的な問題です。」

出演は、ルイ・ヴィトンやディオールなどトップブランドの広告等で活躍する、フランス生まれの中国人モデル兼女優コリーヌ・ヤンと、ジャック・オディアール監督『預言者』のタハール・ラヒム。中国から来た教師とフランスに住む建設工という対照的なふたりを圧倒的な存在感で熱演した。

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