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チャールズ・チャップリン

1889年、イギリス・ロンドン生まれ。バスター・キートンやハロルド・ロイドと並び、「世界の三大喜劇王」と呼ばれる。

ともにミュージックホールの俳優である両親は、チャップリンが2歳の時に離婚し、母親に引き取られた彼は5歳で初めて舞台に立つ。17歳でヴォードヴィル劇団で本格的な俳優業を始め、巡業先のアメリカでキーストン社の目に留まりハリウッドへ渡る。

1914年、25歳のとき、『成功争ひ』で最初の映画出演を果たし、この年だけで30本以上の作品に出演した。この頃から後のトレードマークとなるだぶだぶズボンにドタ靴、山高帽、チョビ髭、そしてステッキという姿で登場して人気者となる。

その後、エッサネイ社、ミューチュアル社と移籍を重ね、大スターへの階段を一気に駆け上っていく。19年には、ダグラス・フェアバンクス、メアリー・ピックフォード、D・W・グリフィスとともにユナイテッド・アーティスツ社を設立。21年には初の長編作品『キッド』を製作する。

31年、トーキーの波が押し寄せる中製作されたサイレント作品『街の灯』は、盲目の少女との恋を悲しくも暖かに描き世界中で大ヒット。続く『モダン・タイムス』ではエスカレートする資本主義社会を、『独裁者』(チャプリン初のトーキー映画)ではヒトラーを痛烈に皮肉り、映画史に残る傑作を生み出す。

一方、このころより非米活動委員会のチャップリンに対する圧力が強まり、『ライムライト』完成後、長い船旅に出たチャップリンだったが、途中で委員会から召喚状が届いたため、アメリカへ帰国することなくそのままスイスへと移住することになる。

71年になってアメリカでもようやくチャップリン復権の動きが出て、『ライムライト』が改めて正式にアメリカで公開された。翌72年にはアカデミー音楽賞と特別賞贈呈のためニューヨークとハリウッドに招かれ、アメリカとの和解が実現した。1977年のクリスマスの日、スイスの地で永眠。享年88歳。

filmography

・犬の生活('18)
・担え銃('18)
・サニーサイド('19)
・一日の行楽('19)
・キッド('21)
・のらくら('21)
・給料日('22)
・偽牧師('23)
・巴里の女性('23)
・黄金狂時代('25)
・サーカス('28)
・街の灯('31)
・モダン・タイムス('36)
・独裁者('40)
・殺人狂時代('47)
・ライムライト('52)
・ニューヨークの王様('57)
・伯爵夫人('67)

※1918年以降の主な監督作品のみ

不思議なことに、忙しいときや疲れたとき、チャップリンの映画が観たくなります。
運動の見事な連なりに、いつの間にか心を奪われて見惚れてしまう。

チャップリンの映画を観たあとにいつも思う。
人を楽しませることが大好きなチャップリンが、
『キッド』の冒頭にあるように「ほほえみと一粒の涙」を託して、
悲哀に満ちたシーンを描くことで何を伝えようとしていたのか。
何をしようとしていたのか。

そのことはいくら考えても分かりません。
考えて分かる問題ではないのかもしれません。
私がいまチャップリンの映画に応えられるのはただ見ることだけ。

そこには今ではシンプルすぎて、あまり誰も意識しなくなってしまった、
映画と観客との関係の秘密が、もう随分長い間眠っている気がします。

チャップリンは「言葉をしゃべると、魔法が消える」と言った。
世界の人口の9割の英語が分からない人たちに映画を観てもらうために。

世界中の人に映画を観てもらうこと。
映画がまだ映画でもなかった頃から、そんなことを考えていたチャップリン。
正直に言うと、少し変だと思います。
でも、チャップリンの映画を観ていると何かがすごく伝わる。
これも当たり前のことじゃなくて、すごく変なこと。

セリフもなしに、音楽と動きだけで人を微笑ませたり、泣かせたりする。
映画って、変だ。
これが私が映画を観始めた頃にチャップリンに魅了されたときの驚き。

もし自分に子供ができたとしたら、いつかチャップリンの映画を観せてあげたいなぁ。
別に映画を好きにならなくてもいいから。一度は観て欲しいなぁ。

2014年と2015年をつなぐチャールズ・チャップリン特集。
ぜひ、映画の不思議な不思議な魔法に再び出会って頂ければと思います。

賀正。

(ぽっけ)

黄金狂時代
THE GOLD RUSH
pic (1925年 アメリカ 73分 35mm  SD/MONO)

2014年12月27日から12月29日まで上映

■監督・製作・脚本・音楽・出演 チャールズ・チャップリン
■撮影 ローランド・トザロー

■出演 ジョージア・ヘイル/マック・スウェイン/トム・マーレイ /ヘンリー・バーグマン/マルコム・ウェイト/ベティ・モリシー

★3日間上映です。

宝石のように輝く爆笑シーンの連続ラッシュ
これぞ映画史上永遠のベストワン喜劇!

アラスカの金鉱が発見され一獲千金を夢見る人々が押し寄せていた頃、ひとりぼっちの探鉱家チャーリーは、突然の猛吹雪に襲われ、一軒の山小屋に転がり込んだ。しかし、そこで指名手配中の凶悪犯ブラック・ラーソンと、金鉱を掘り当てたビッグ・ジムとハチ合わせ大混乱。ようやく吹雪が止み、チャーリーはアラスカの町へ。キャバレー「モンテカルロ」に入ったチャーリーは、踊り子のジョージアにひと目惚れしてしまい…。

老若男女を問わず愛されているチャップリン映画。その秘密は、なんといってもチャップリンの暖かい人間愛が全作品に貫かれているからに他ならない。本作は、空腹のあまりドタ靴を食べるシーン、恋人を待つ間のロールパンのダンス、断崖絶壁の山小屋のシーンなど、チャップリンならではの<至芸>が見事に開花した名作中の名作である。

1958年のブリュッセル万国博覧会で発表された「世界映画史上の傑作12選」で『戦艦ポチョムキン』に次いで第2位に選出され、チャップリン自身も圧倒的多数で最優秀監督に選ばれている。チャップリンが一番好きな作品としており、後に彼のナレーションと音楽を挿入したサウンド版が製作された。ジャン・コクトーをして「絶対的な傑作だ」と言わしめたチャップリン芸の最高峰である。

独裁者
THE GREAT DICTATOR
pic (1940年 アメリカ 126分 35mm SD/MONO)

2014年12月27日から12月29日まで上映

■監督・製作・脚本・出演 チャールズ・チャップリン
■撮影 カール・ストラス/ロリー・トザロー
■音楽 メレディス・ウィルソン

■出演 ジャック・オーキー/ポーレット・ゴダード/チェスター・コンクリン/レジナルド・ガーディナー

★3日間上映です。

爆笑も最高! 感動も最高!
初の完全トーキーに情熱を懸けたチャップリン最大の傑作!

1918年――第1次世界大戦の末期、敗色の濃いトメニア国はひそかに平和交渉を進めていたが、何も知らぬ将兵は勝利を信じて戦っていた。首都にあるユダヤ人街に住む床屋も召集され、ヘマをしながら戦場をかけめぐっていた。そんな中、トメニア軍の空軍将校シュルツが敵に包囲され、危ないところを床屋が救い出だす。負傷したシュルツを乗せ、床屋が飛行機を操縦し飛び立つも、故障がおきて墜落。シュルツはショックで気絶し、床屋は記憶を失ってしまう…。

チャップリンが『モダン・タイムス』を世に送った1936年当時のヨーロッパは、独裁政権に狂奔するヒットラーのナチス・ドイツにつぎつぎと屈服させられつつあった。チャップリンは、迫りくるファシズムによって危機に瀕していた自由と民主主義を守るための闘いを開始。本作『独裁者』の製作に着手したのである。もちろん、ヒトラーの製作中止への圧力は繰り返し行われたが、チャップリンはそれに屈せず、独裁者の本質を鋭くあばくとともに、その未来をもズバリと暗示した。

チャップリンは本作で、それまでのトレード・マークである山高帽とステッキ、ドタ靴のスタイルをかなぐり捨て、初めて完全なトーキーを採用した。パントマイムを最高の表現芸術とみなすチャップリンの偉大な賭けであったが、これに勝ったのである。独裁者を痛烈に告発したラスト6分間の大演説が素晴らしい効果を発揮したのは何よりもこのことを証明している。

世界中に愛の素晴らしさを贈ったチャップリン。憎しみの種をまき散らしたヒトラーは僅か4日違いの同年同月生まれ。全く対照的な生き方で後世対峙することになったのは、歴史の皮肉なめぐりあわせだろうか。


キッド
THE KID
pic (1921年 アメリカ 53分 35mm ビスタ/MONO)

2014年12月30日から2015年1月2日まで上映

■監督・製作・脚本・出演 チャールズ・チャップリン
■撮影 ロリー・トザロー

■出演 ジャッキー・クーガン/エドナ・パーヴィアンス/カール・ミラー/チャック・ライスナー/トム・ウィルソン/ヘンリー・バーグマン/アルバート・オースチン/リタ・グレイ

★4日間上映です。

可愛いイタズラ天使ジャッキー坊やと
チャーリーのコンビが爆笑と涙を誘う。
初の長編ドラマの誕生、そして子役との初共演!

いつものように散歩をしていたチャーリーは、街頭に捨てられている赤ん坊を見つける。その子を抱えながら、どうしようかと迷っているうちに、産着に添えてある一通の手紙でチャーリーは決意する。それからチャーリーは自分のボロアパートにこの子を引き取り、慣れない子育てが始まった。

5年後、その子はチャーリーの仕事を手伝うほどに成長し、二人は貧しいながらも幸せに暮らしていた。そんなある日、急病にかかった坊やを医者に見せたことから捨て子だったことが分かり、坊やは強制的に孤児収容所に送られそうになるのだが…。

どんなに貧しくても、辛くても、けなげに生きぬくことがどんなに素晴らしいか…チャップリンが高らかに人間讃歌を謳った名作中の名作。ふとしたことで捨て子を拾って育てるハメになった浮浪者チャーリーが、やがてその子と実の親子以上の強く深い愛情で結ばれ、観客を笑いと涙でいっぱいにするという、チャップリン一流の演出芸術が素晴らしい傑作。

舞台となる下町の風景は、ロンドンで過ごしたチャップリンの悲しい思い出につながる。限りない愛と優しさをこめ、しかも心からの笑いを忘れていないチャップリン。彼はこの映画のストーリーを、“キッド”役のジャッキー・クーガンを発見したときに思いついたという。5歳のジャッキーはそのままチャップリンの5歳の姿だともいえるだろう。

モダン・タイムス
MODERN TIMES
pic (1936年 アメリカ 88分 35mm SD/MONO)

2014年12月30日から2015年1月2日まで上映

■監督・製作・脚本・音楽・出演 チャールズ・チャップリン
■撮影 ロリー・トザロー/アイラ・モーガン
■編曲 デヴィッド・ラクシン

■出演 ポーレット・ゴダード/チェスター・コンクリン/ヘンリー・バーグマン

★4日間上映です。

人間は機械じゃない――
ハートを忘れた【現代】の悲哀を痛烈な笑いで描く
世界映画史上、不朽の名作!

時はまさに機械化時代。チャーリーも巨大なオートメーション工場に勤める“人間歯車”のひとつだった。つぎつぎと運ばれてくる部品のネジをスパナで締めつけるだけの単純作業。チャーリーたちの仕事の様子は、社長室のテレビに映し出され、トイレで一服することもできない。昼食の時間も売り込みに来た自動食事機の実験台にされ、ヒドイ目にあう始末。

ついに気が狂ったチャーリーは、ネジというネジ、ネジに似たものであれば女性の服のボタンでもなんでも手を出し、精神病院に送り込まれることに。退院して行くあてもなく彷徨っていたチャーリーはデモのリーダーに間違えられ逮捕されてしまう…。

『街の灯』以来、5年ぶりに発表された本作は、高度に組織化された当時の未来社会(つまり現代)を風刺した、チャップリンのそれまでにない斬新な文明批評映画である。大工場のオートメーションと極度の分業化による“人間喪失”の悲劇を、皮肉とユーモアを交えながら、痛烈に世界に訴えている。

1936年といえば、世界の大部分の映画がトーキー化していたが、本作ではチャップリンはキャバレーのシーンで「ティティナ」を歌う以外、一言も台詞を喋らなかった。だが次作『独裁者』では、彼にとって初のトーキーを採用することとなる。また、彼のトレード・マークでもある山高帽とダブダブのズボンとステッキとドタ靴にステッキというスタイルが最後となった作品である。

共演のポーレット・ゴダードは本作が出世作となり、以来チャップリンのスクリーンの恋人として人気を高め、続く『独裁者』でも相手役をつとめた。実生活でもチャップリンと結婚したのだが、42年に離婚している。

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