今週の混雑案内
フェイスブック
twitter
english
top

実話をもとにして作られた映画が、必ずしも現実の出来事を再現しているとは限らない。
限られた情報と時間の中で、どれを選び、どれを切り捨てるのか。
どうすれば現実に起こった出来事に近づくことができるのか。
今週上映する二つの作品のそれぞれの登場人物の思いと、
それぞれの監督が持つ現実へと迫る執念が、まるでシンクロしているように見える。

危険な状況に巻き込まれながらも、
どこまでもビン・ラディンを追い続けた『ゼロ・ダーク・サーティ』の主人公マヤ。
そしてコンテナ船の航行中に海賊に襲われ、
人質として一人拘束された『キャプテン・フィリップス』の船長フィリップス。
極限の状態が生み出す緊張感が、徐々にあふれ出し、画面を充満させていく。

しかしこの二作は、その高まった緊張感が、
物語の終盤ここぞとばかりに爆発し、爽快な気持ちを与えてくれるわけではない。
目的の達成や事件の終息とは裏腹に、彼らの顔に浮かぶ表情は必ずしも満ち足りてはいないのだ。
あらすじや触れ込みだけでは決してわからないその人間の葛藤が、
エンターテインメントとしての映画にリアリティを生む。
実話を映画化する際に最も必要なものを両作品はここで見事に描いている。

張り詰めたテンションと、観終ったあとの脱力感。
それは私たちに心地よい疲労と、充実した時間を与えてくれる。
上質のシリアス・エンターテインメントを、どうぞお楽しみ下さい。

(ジャック)


ゼロ・ダーク・サーティ
ZERO DARK THIRTY
(2012年 アメリカ 158分 35mm PG12 ビスタ/SRD)
pic
2014年3月29日から4月4日まで上映
■監督・製作 キャスリン・ビグロー
■脚本・製作 マーク・ボール
■製作 ミーガン・エリソン
■撮影 グリーグ・フレイザー
■音楽 アレクサンドル・デプラ
■編集 ウィリアム・ゴールデンバーグ/ディラン・ティチェナー

■出演 ジェシカ・チャステイン/ジェイソン・クラーク/ジョエル・エドガートン/ジェニファー・イーリー/マーク・ストロング/カイル・チャンドラー/エドガー・ラミレス

■第85回米アカデミー賞音響編集賞受賞、作品賞・主演女優賞・脚本賞・編集賞ノミネート/NY映画批評家協会賞作品賞・監督賞・撮影賞受賞/LA映画批評家協会賞編集賞受賞/ゴールデン・グローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)受賞、作品賞・監督賞・脚本賞ノミネート

■オフィシャルサイト http://zdt.gaga.ne.jp/

<9.11>から10年――
彼女を駆り立てたのは、
使命か、執念か。

pic華奢で青白く澄んだ瞳が印象的な20代半ばの女性、マヤ。とてもCIA分析官には見えないが、情報収集と分析に天才的な感覚を持ち、ビンラディン捜索に巨額の予算をつぎ込みながらも一向に手掛かりをつかめない捜索チームに抜擢された。

だが、捜査は困難を極め、その間にも世界中で、アルカイダのテロにより多くの血が流されていた。ある日、仕事への情熱で結ばれていた同僚が、自爆テロに巻き込まれて死んでしまう。その時、マヤの中の何かが一線を越えた――。

ビンラディンを追い詰めたのは、
ひとりの女性だった――

pic2011年5月1日、アメリカ同時多発テロ事件の首謀者ビンラディンがネイビーシールズによる捕縛作戦決行の末殺害された。誰がどんな方法でビンラディンの居場所を突き止めたのか? 誰もが知りたいこのトップ・シークレットに独自のルートで迫り、当事者たちから念入りに取材することに成功したのは、『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督と脚本家のマーク・ボール。ふたりは、CIAのビンラディン追跡チームの中心人物が、若き女性分析官だったという驚愕の事実をつかみ、幾多の困難を乗り越え見事に映像化した。

主演は、本作でゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞したジェシカ・チャステイン。死と隣り合わせの“任務”を全うしようとする女性・マヤを赤裸々に演じた。全米でNo.1ヒットを記録、批評家たちからも軒並み絶賛される一方、大統領選に影響すると米政府が恐れた世界騒然の<実話>が、いま明らかになる。


このページのトップへ
line

キャプテン・フィリップス
CAPTAIN PHILLIPS
(2013年 アメリカ 134分 DCP シネスコ) pic 2014年3月29日から4月4日まで上映
■監督 ポール・グリーングラス
■原作 リチャード・フィリップス「キャプテンの責務」(早川書房刊)/ステファン・タルティ
■脚本 ビリー・レイ
■撮影 バリー・アクロイド
■音楽 ヘンリー・ジャックマン

■出演 トム・ハンクス/バーカッド・アブディ/バーカッド・アブディラマン/デヴィッド・ウォーショフスキー/キャサリン・キーナー

■第86回米アカデミー賞作品賞ほか5部門ノミネート/ゴールデン・グローブ賞作品賞ほか3部門ノミネート/第26回東京国際映画祭オープニング作品

■オフィシャルサイト http://www.captainphillips.jp/

生きて還る――
勇気だけが彼の希望となった。

pic2009年4月。アメリカのコンテナ船マースク・アラバマ号は、援助物資5000トン以上の食糧を積んでケニアに向かうべくインド洋を航行していた。リチャード・フィリップス船長と20人の乗組員にとっていつもと変わらない旅だった。だが、ソマリア沖に入った時、事態は思わぬ方向へ暗転する。アラバマ号が海賊に襲われ、占拠されてしまったのだ。

フィリップス船長は乗組員を救う為、身代わりとなり、海賊の人質になるという勇気ある決断をする。ソマリア海賊たちとの命がけの息詰まる駆け引きが続く中、アメリカも国家の威信を賭けた闘いに直面する。海軍特殊部隊ネイビー・シールズを出動させた作戦は、人質救出か? それとも海賊共々殲滅か? 生死を懸けた緊迫の4日間、彼を支えるものは「生きて、愛する家族のもとへ還る−」という願いだけだった−。

20人の乗組員を救った感動の実話
この船長の勇気を、あなたは知っていますか?

2009年にソマリア沖で起きた海賊による輸送船襲撃事件を、人質となったリチャード・フィリップス船長自らが執筆した回顧録「キャプテンの責務」。この驚くべき実話を『ボーン・アルティメイタム』のポール・グリーングラス監督が映画化した。船長と海賊たちの駆け引きと米軍による救出劇を、抑制の効いた息詰まるタッチで描く。

pic主演のフィリップス船長を演じるのは、『フォレスト・ガンプ 一期一会』『アポロ13』『プライベート・ライアン』と常に観る者に大きな感動を与えてくれるトム・ハンクス。監禁される人質の恐怖と、それでもなお船長としての誇りを失わない男の威厳の間で揺れる心情をリアルに演じ、本年度アカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。

◆上映素材変更のお知らせ◆
『キャプテン・フィリップス』は、35oプリント上映を予定しておりましたが、DCP上映と変更させていただきます。ご了承のうえご鑑賞いただきますようお願いいたします。


このページのトップへ