 ★3日間上映です。スケジュールにご注意ください。
★3日間上映です。スケジュールにご注意ください。
皆さま、スケジュールのチェックはお済みですか?
  早稲田松竹の3月は、誰しも一度は(そして繰り返し何度でも!)、
  スクリーンで観ておきたい往年の名作が目白押し。
  デジタルが主流となった今、旧作を劇場で、
  それもプリントでご覧いただける本当に貴重な機会です。
  是非劇場で、至福のひとときをお過ごしください。
さて、そんな豪華ラインアップの先陣を切るのは、
  サスペンスの神様ヒッチコックの『鳥』、
  そして第二のヒッチコックと呼ばれたデ・パルマの『キャリー』。
  両作品とも、映画史上に名を刻む恐怖映画の金字塔です。
凄惨の限りを尽くすことに全力を注いだホラー映画とは違い、
  この二本が持つ恐怖はごく親密な態度で私たちに近づき、
  いつのまにか心に棲みつくことも抗いがたい、
  極めて人間的で、チャーミングなもののように思われます。
『キャリー』で描かれる高校生活、少女たちの残酷ないじめ、職務に忠実な教師、
  狂信的な母親、初めての恋、そして、高校生活最後の一大イベントであるプロムの夜。
  少女キャリーが胸のうちに感じていたものは、
  憎しみ、怒り、悲しみ、絶望、或いは恐怖であったでしょうか?
『鳥』の機知に富み快活な金髪美女メラニーと弁護士ブレナーの大人の恋、
  二羽のラブ・バードをめぐる駆け引き、子離れできない母親、昔の恋人との対話。
  母親の視線が訴えていたものは、かつて過ごした安楽のとき、
  それとも言い知れぬ未来への不安でしょうか?
作品のベースにある、主人公と、彼女らを取り巻く人々の思惑を描いた物語は、
  恐怖映画である前に青春映画、家族映画、恋愛映画としての素晴らしい完成度を誇り、
  単なる立役者に終わらないその独立した妙味は、私たちの心を惹きつけてやみません。
  掻き立てられる様々な感情はやがて身を潜める恐怖の息づかいと絡み合い、
  相互にエネルギーを膨張させながら、遂に炸裂する瞬間へとにじり寄っていきます。
  そして、物語は阿鼻叫喚のクライマックスへ――
巨匠たちの見事な手腕で放たれる、情緒豊かな、しかし容赦のない恐怖。
  もう既に観たことがあるなら、今度は細部に目を向けてみて。
  隙のない極めて上質な物語に、改めて酔いしれることができるはずです。
  初めてご覧になる方は、お気をつけて。
  “超一流”の恐怖体験が、あなたを待っています。
(ザジ)
 
キャリー
    CARRIE
     (1976年 アメリカ 98分  ビスタ/MONO)
 ビスタ/MONO)
       2013年3月2日から3月4日まで上映
      2013年3月2日から3月4日まで上映
      
      ■監督 ブライアン・デ・パルマ
      ■製作 ポール・モナシュ
      ■原作 スティーブン・キング
      ■脚本 ローレンス・D・コーエン
      ■撮影 マリオ・トッシ
      ■音楽 ピノ・ドナッジオ
  
■出演 シシー・スペイセク/パイパー・ローリー/ウィリアム・カット/ジョン・トラヴォルタ/エイミー・アーヴィング/ナンシー・アレン
■1976年アカデミー賞主演女優賞ノミネート(シシー・スペイセク)・助演女優賞ノミネート(パイパー・ローリー)
★3日間上映です。

キャリー・ホワイトは冴えない容姿とおどおどした物腰で、常に学校中の笑いもの。特に札付きの不良グループには格好のいけにえとなっていた。
キャリーの家庭は母一人子一人だ。母親のホワイト夫人は狂信的な正統キリスト教信者で、性を罪悪視し、肉体の成長はよこしまな邪念の表れだとする思想の主。そんな母親の支配下にあったキャリーは心身ともに健全な成長を遂げるはずもなかった。さらにキャリーの持つ不思議な超能力のせいで、母子の間には奇妙な憎しみの感情が醸成されていた…。
念動能力を持つ少女キャリーが、母親からの虐待といじめによって精神不安定に陥り、その能力によって町を破壊する傑作ホラー。スティーブン・キングのベストセラー処女作を巨匠ブライアン・デ・パルマが映画化した。 『ローズマリーの赤ちゃん』や『エクソシスト』などのオカルトブームのなかで公開され、全米で大ヒットを記録。主演のシシー・スペイセクとパイパー・ローリーはそれぞれアカデミー賞にノミネートされた。2013年にはクロエ・グレース・モレッツ主演でリメイク作の公開が予定されている。


 
鳥
      THE BIRDS
     (1963年 アメリカ 120分 ビスタ/MONO)
      2013年3月2日から3月4日まで上映
      2013年3月2日から3月4日まで上映
      
      ■監督・製作 アルフレッド・ヒッチコック
      ■原作 ダフネ・デュ・モーリア
      ■脚本 エヴァン・ハンター
      ■撮影 ロバート・バークス
      ■音楽 バーナード・ハーマン
■出演 ティッピー・ヘドレン/ロッド・テイラー/スザンヌ・プレシェット/ジェシカ・タンディ/ヴェロニカ・カートライト/ドリーン・ラング/エリザベス・ウィルソン/エセル・グリフィス
■1963年アカデミー賞特殊効果賞ノミネート/ゴールデングローブ賞最優秀新人女優賞受賞(ティッピ・ヘドレン)
★3日間上映です。

突然舞い降りてきた1羽のかもめが、ボートに乗っていたメラニーの額をつついて飛び去った。これが事件の発端だった。不吉な影がボデガ湾沿いの一寒村を覆った。無数の鳥が不気味な羽音をたてて飛来してきたのだ。
幸いメラニーは軽傷だったが、若い弁護士のブレナーは、異様な鳥の大群を見て、ただならぬ予感に襲われた。そしてほどなく、ブレナーの予感は現実となった。鳥の大群が人間を襲い始めたのだ…。
無数の鳥たちが人間を襲う、という至極シンプルでかつショッキングなテーマを扱った、ヒッチコック後期の傑作ホラー。原作は、『レベッカ』もヒッチコックによって映画化されたダフネ・デュ・モーリアの短編。原作では理由があった鳥の襲撃も、この映画ではあえて理由付けはなされず、不気味な恐怖感が増している。数千羽の鳥の調教にベテランのバード・トレーナーが当り、本物の鳥による凄まじい襲撃シーンを生み出した。
「わたしは未だかつて、このような映画を作ったことはないし、手数のかかる俳優(鳥)を使ったこともない」とヒッチコックは言った。
