本日は『探偵はBARにいる』を観るためにわざわざ劇場にお運び頂きありがとうございます!!
レンタルが始まったというのに何ともありがたい話です。
ですが、この映画は劇場で観て大正解! それもワセショーならばモアベター。
本作は昨今、絶滅種となりつつある35ミリフィルムで撮影した作品です。
ご存知かと思いますが、数多の名作を焼き付けたフィルムのコダックが倒産しました。世の趨勢はデジタルで飛び出すものへと急速にシフトしております(飛び出す方は、やはりエロのエポックな作品が生まれない事には頭打ちになるでしょうが…)。しかし、異常にクリアに出る字幕なんか字幕じゃない、夜はツブれているのが映画じゃないか、プロジェクターでビデオを映しているような映像は辞めてくれ〜!とお嘆きの同胞に本作はぴったり。
しかもワセショーではDLP変換ではなくフィルム上映なのです〜、フィルムの瞬きにどっぷり浸かってご鑑賞下さいませ。
いや〜映画って本当にいいですね。
……え、俺はカリオストロを観に来たって?
いいじゃないですか〜、日テレで300回くらい再放送しているのに劇場でカリオストロを観るあなた、素敵です!
『探偵〜』の大泉洋と松田龍平のコンビを説明する際、ずっとルパンと次元みたいなコンビです、と言い続けてきました。そんなワケで、意識的にも無意識的にも『ルパン三世』、特に『カリオストロの城』からは影響を受けております。
かく云う私は、カリオストロをボンクラ小学生のみぎりに札幌の帝国座という劇場で公開時に観ました。併映作品は『Mr.Booギャンブル大将』。
ということは…今回、『探偵はBARにいる』は、あの偉大なるホイ三兄弟に並んだという事になるのでしょうか? 光栄であります。嬉しいです、嬉しいんで飲みに行きます、そして繁華街の路地裏を彷徨いながら歌うのは『炎のたからもの』バイ、ボビーです。そんな中年を二月の寒空の下に見つけたならば、声をかけて下さい。供に幸せを訪ねて行きましょう!!
『探偵〜』に関して、少しマジメな話をしますと…
撮影は2011年の2月、雪祭りで賑わう札幌の街に始まり、桜散る4月の東京で終了。その間、一ヶ月に及んだ北海道ロケの最終日に大震災が発生。十日間の撮影休止。絶え間なく映し出される被災地の信じ難い光景、終わりの見えない不安――映画など作っている場合か? おそらくスタッフ・キャストの誰もが抱いた気持ちでしょう。ですが、人はパンのみに生きるにあらず、映画やドラマがきっとまた必要となる日が来る、その日のために今出来る事を精一杯やるしかない。そう信じて撮影を再開……弱い自分たちにはそう信じるしかなかった、ただそれだけかもしれませんが……被災地の方々が、何の不安もなく映画を観られるような日が、一日でも早く来る事を願って止みません。
そして本作が、2011年に作られた映画である事の意味は、これから絶えず考えてゆかねばならぬように感じております。いち映画製作者として。
今回、こんなに粋な二本立てを企画してくれた早稲田松竹さんに感謝!!
今後、さらに探偵シリーズが続いたなら、是非"正月恒例・探偵祭り"みたいに取り上げられるよう面白い作品を作ってゆきますので、よろしく!!
長々とすいません。
では、
サイナラ、サイナラ、サイナラ。
『探偵はBARにいる』 プロデューサー・脚本 須藤泰司
ルパン三世 カリオストロの城
The Castle of Cagliostro
(1979年 日本 100分 ビスタ/MONO)
2012年2月18日から2月24日まで上映
■原作 モンキー・パンチ
■監督 宮崎駿
■脚本 宮崎駿、山崎晴哉
■作画監督 大塚康生
■音楽 大野雄二
■製作・著作 トムス・エンタテインメント
■アニメーション制作 東京ムービー
■声の出演 山田康雄/増山江威子/小林清志/井上真樹夫/納谷悟朗/島本須美/石田太郎、他
透明な湖、豊かな森――中世を思わせるヨーロッパの田舎道を行く一台のボロ車。乗っているのは御存知ルパンと次元。このふたり、カリオストロ公国と呼ばれる人口わずか三千五百、世界一ちっぽけな国へ、目的もなく忍び込むわけがない。アホな観光客を装って、またワルサを…。
そんなふたりの前に、突然、キキーッとタイヤを鳴らして1台の車・UCVが出現! ビックリばったりのルパンと次元。それもそのはずウェディング・ドレスを着た美少女が運転しているではないか! アッと思う間もなく、追ってきた大型リムジンが少女のUCVに激突、断崖絶壁を突っ切って大滑空するUCV! 眼下に広がる湖へ真っ逆さま! ああ〜〜〜〜!! と思いきや、右手に花嫁を抱き、左手は崖っぷちに引っかけた命綱を持って、ルパンが笑顔でブーラブラ。と突然、ドドーーーッと湖上にランチが出現、美少女をかっさらってオサラバだ! あとには、白い山羊の紋章が彫ってある指輪がひとつ…。
こいつは、劇場用アニメとして映画化されるや、ルパン・ファンだけでなく、ヤングから大人まで幅広い人気を獲得して大ヒットした「ルパン三世」の、劇場用新作シリーズ第2弾だ。SFタッチの前作では慣れない舞台とあって、さすがのルパンも後半は、ちとバテ気味。だけど、今回は違うゾ。なんてったって≪陰謀めぐらす謎の伯爵≫てのが敵なんだから、これはもう、ルパンの土壇場といっていいだろう。
生きては還れぬ古城せましと、さらにスピーディーに、さらにスリリングに、最初から最後まで息をもつかせぬアクションの連続! 古城を守る恐怖の仕掛けを、アッと驚くアイデアで次から次へと突破していくところなんぞ、さすがルパン! 拍手喝采モンだ。
しかも、このシリーズの生みの親、宮崎駿監督と大塚康生作画監督の名コンビが、この作品をルパンの代表作にしようってガンバッテるンだから、オモシロくないワケがない。とにかく、新しい魅力がイッパイのルパン三世「カリオストロの城」、製作費に5億円もかけているんダ、テレビとは違うゾ。
(公開時のパンフレットより引用)
探偵はBARにいる
(2011年 日本 125分 ビスタ/SRD)
2012年2月18日から2月24日まで上映
■監督 橋本一
■プロデューサー 須藤泰司/上田めぐみ/今川朋美
■脚本 古沢良太/須藤泰司
■原作 東直己『バーにかかってきた電話』(ハヤカワ文庫刊)
■撮影 田中一成
■音楽プロデューサー 津島玄一
■出演 大泉洋/松田龍平/小雪/西田敏行/田口トモロヲ/波岡一喜/有薗芳記/竹下景子/石橋蓮司/松重豊/高嶋政伸/マギー/安藤玉恵/カルメン・マキ
俺は、札幌・ススキノの探偵。ま、その実態は自分が気に入れば仕事を受ける“何でも屋”だな。北大農学部のグータラ研究助手兼俺の運転手・高田と共に(俺は故あって無免なのだ)、何かと物騒な毎日を送っている。携帯電話なんてしちめんどくさいものを持たない俺は、夜な夜な通うBAR“ケラーオオハタ”の名刺を持ち歩き、依頼はケラーの黒電話で受けるのが常だ。
ある夜のこと、いつものように高田とオセロに興じていた俺のもとに、1本の電話がかかってきた。“コンドウキョウコ”と名乗るその女の依頼は、「ミナミという弁護士に、去年の2月5日、カトウはどこにいたか?」とだけ聞いてくれという妙なもの。ヤバい匂いはしたんだが、キョウコの声から美人の匂いも嗅ぎ取ってしまった俺は、ついその依頼を引き受けてしまう。その結果、その筋の方々に強制的にドライブに誘われ、挙句、雪原に生き埋めにされかかった! もはやキョウコなんて関係なく、自力で報復を決意した俺だが――出てくるわ出てくるわ、想像異常にキナ臭い人間関係が浮かび上がってきた!
降りしきる雪が、今夜も欲望の街を美しく飾る――アジア最北の大歓楽街、札幌・ススキノ。この街の表も裏も知り尽くした“俺”の活躍を描いた“ススキノ探偵シリーズ”が遂に映画化される。俺と同じ札幌在住の気鋭ミステリー作家・東直己が、デビューの92年から発表し続けている人気シリーズだ。本作で描かれるのは、その中でも傑作の誉れ高い第2作「バーにかかってきた電話」。“ハードボイルド”と“純愛”が見事に調和する極上のカクテルのような原作をベースに、俺“探偵”と“相棒”高田がスクリーン狭しと暴れまわる!
酒好きで美女に弱いが、たとえ傷だらけになっても依頼人を最後まで守り抜こうとする俺=“探偵”を演じるのは、これまた北海道出身の故郷を愛し続ける男・大泉洋。おなじみのコミカルかつ軽妙な持ち味はそのままに、時折見せる哀愁漂うエモーション。怪我をも厭わぬハードアクション。そんな俺の“相棒”かつ運転手・高田を演じるのは、日本映画界に愛され続ける若き名優・松田龍平。映画の匂いをまとう稀有な存在感が、普段はボーっとしているが実は喧嘩が滅法強い高田という男を、なおかつ映画そのものをより劇的にしてくれる。さらに美人ヒロイン役を担うのは、話題作への出演が続く小雪。オトコの理想を具現化したような佇まいで、バカな男たちを翻弄する魔性の女・沙織を演じるとは。間違いなく、危険だ。