シスタースマイル ドミニクの歌
SOEUR SOURIRE
(2009年 フランス・ベルギー 124分 ビスタ/SRD)
2010年11月13日から11月19日まで上映
■監督・脚本 ステイン・コニンクス
■脚本 クリス・ヴァンデル・スタッペン/アリアン・フェート
■撮影 イヴ・ヴァンデルメーレン
■音楽 ブリュノ・フォンテーヌ
■出演 セシル・ドゥ・フランス/サンドリーヌ・ブランク/ヤン・デクレール/ジョー・デスール/マリー・クレメール/クリス・ロメ/フィリップ・ペータース/クリステル・コルニル/ツィラ・シェルトン/ラファエル・シャルリエ/ヨハン・レイゼン/ベルナルド・アイレンボッシュ
■ジャニーヌ・デッケルス作詞・作曲のナンバー
「バラ色の眼鏡」/「麗しのレディ」/「ファサード」/「黄金のピル」/「一輪の花」/「クロッキー」/
「わたしは主を見出した」
■本編に登場する50'sのヒットナンバー
エルヴィス・プレスリー…「ワン・ナイト」「ハートブレイクホテル」/ジョルジュ・ブラッサンス…「ゴリラ」/ジーン・ヴィンセント…「ビー・バップ・ア・ルーラ」
『シスタースマイル ドミニクの歌』の舞台はベルギー。1950's〜60'sのポップな街並み、緑豊かな美しいナミュールの修道院、そして当時の名曲たちが見事に時代の空気を創りだしています。
1950年代といえば、エルヴィス・プレスリーやジーン・ヴィンセントたちが活躍した“ロックンロール”の創成期。そして、“ビートニク”や“モッズ”の隆盛など、 ユース・カルチャー(若者文化)が生まれ、自由や愛を求める風が吹いていた時代。
その時代に生まれ、生きたジャニーヌはひときわ繊細な感性の持ち主。自由を求めて、修道院へ飛び込むジャニーヌのトランクには、エルヴィスのブロマイドが忍び込み、ジョルジュ・ブラッサンスの「ゴリラ」を楽しげに歌う。
ブラッサンスは当時の多くの若者にとって“反逆のイコン”でした(ゴダールの59年に発表された『勝手にしやがれ』にも、ブラッサンスの曲は使われています)。両親に反抗し、修道院の秩序に異を唱え、 音楽に全てを注ぐジャニーヌの激情的な生き方。彼女が生きた時代に思いを馳せてみてもよいのではないでしょうか。
♪あらすじ
1960年頃、世界中の人が口ずさんでいた歌があった。「ドミニク、ニク、ニク…♪」と、一度聴けば忘れられないメロディー。レコードの売り上げはエルヴィス・プレスリーを超え、世界で300万枚。この美しく明るい歌声で世界中を魅了した人物は、「シスタースマイル」という芸名で活躍した、ベルギー、ドミニコ教会のシスターだ。
ギターを片手に修道院に入る道を選んだ実在の女性、ジャニーヌ・デッケルスは、歌に希望を見出だし、聖ドミニコを讃えた楽曲「ドミニク」を作った。もっと自由に歌いたい…その思いを募らせた彼女は、やがて修道院を去る決意をするが…。
オーケストラ!
LE CONCERT
(2009年 フランス 124分 シネスコ/SRD)
2010年11月13日から11月19日まで上映
■監督・脚本 ラデュ・ミヘイレアニュ
■脚本 アラン=ミシェル・ブラン/マシュー・ロビンス
■原案 エクトル・カベロ・レイエス/ティエリー・デグランディ
■撮影 ローラン・ダイヤン
■音楽 アルマン・アマール
■セザール賞音楽賞・音響賞
■劇中使用楽曲(クラシック)
モーツァルト…「ピアノ協奏曲第21番ハ長調KV467」/チャイコフスキー…「ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35」「白鳥の湖」/バッハ…「無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007」「2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ長調BVW1043」/ロッシーニ…「ウィリアム・テル」/シューマン…「夕べに」「なぜ」/ドビュッシー…「西風の見たもの」/パガーニ…「24のカプリース作品1」/ハチャトゥリアン…「剣の舞」/マーラー…「巨人」/リムスキー=コルサコフ…「交響組曲「シェラザード」Op.35」/ラロ…「スペイン交響曲ニ短調Op.21」/メンデルスゾーン…「ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64」 他
■挿入曲で参加しているミュージシャンたち
“ケク・ラン”…
ボブ・ディランの影響も受けている東ハンガリーを源流とする“ロマ”のバンド/“レジュ・ノワール”…ロマとクレズマー、ジャズを融合させたフランスのバンド/“レ・ミュジシャン・デュ・ナイル”…北部エジプトを代表する民族音楽グループ
『オーケストラ!』の舞台はロシア。30年前までは、ボリショイ劇団の天才指揮者であったアンドレイの“復活劇”です。当時(1980)のロシアはペレストロイカ以前の、言論や表現の自由が抑制されていた時代。 時の指導者ブレジネフは、ユダヤ人を嫌い、劇団からのユダヤ人排斥を命じ、 アンドレイはその命令に背いた為に劇団を追われました。
一度に自分の“すべて”を失ったアンドレイ。 しかし、彼の音楽への思いが消え入ることはありません。 アンドレイの舞台への復帰の思いつき。 その道中のドタバタを、私たちは音楽と伴に旅します。
そして、舞台で高らかに鳴り響く、クラシックの荘厳な音色は感動的です。 けれど、この作品にはそれだけではなく、もっと肥沃な音楽の地平が広がっています。ロシアの広大な土地と歴史が育んだ“民衆の音楽”。 楽団を追われたアンドレイの昔の仲間達が街で演奏するのは、 “ロシア民謡”や東欧ユダヤ人の伝統的な大衆音楽“クレズマー”。 そして、“シャンソン”や“フレンチポップス”など、民衆に親しまれてきた音楽たち。 彼らにとって、クラシックが高尚で、ポップスが低俗なんて考えは、 これっぽっちもなく、全てが響きの連なりのなかにあるかのようです。
国、ジャンルを横断する音楽。 音楽同士の行き交いを感じられるのは、心躍り、ワクワクします。 それだけでなく、それぞれの音楽のルーツ、培われた歴史に、 思いを馳せることが出来るのも、この作品の奥深さであると思います。
♪あらすじ
ロシア・ボリショイ交響楽団で清掃員として働く、さえない中年男アンドレイ。だが実は、彼はかつて“マエストロ”と呼ばれた天才指揮者だった。共産主義時代、ユダヤ系の演奏家たちの排斥を拒絶し、突然解雇されたのだ。それから30年が過ぎた今、彼は清掃中に1枚のFAXを発見する。そこに書かれていたのは、パリで演奏して欲しいというボリショイ楽団へのオファー。
それを見た瞬間、アンドレイは正気の沙汰とは思えない計画を思いつく。かつての楽団員を呼び集め、ボリショイ楽団としてコンサートに出場してしまおう…!かくして元天才指揮者率いる偽・ボリショイ楽団が、パリの一流劇場へ向けて出発!果たして、コンサートのゆくえは?アンドレイの真の目的とは…?
(ミスター)