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エリック・ロメール

1930年生まれ。TVシリーズ『ローハイド』(1959〜1966)で人気を得、64年にイタリアに招かれて撮った『荒野の用心棒』が世界的ヒット、マカロニ・ウェスタンブームに乗り人気が上昇した。

1971年、『恐怖のメロディ』で初監督をはたす。以後『許されざる者』『マディソン郡の橋』『ミスティック・リバー』『ミリオンダラー・ベイビー』等、コンスタントに作品を発表。いずれも傑作と高い評価を受け、名実ともに誰もが認める巨匠である。『グラン・トリノ』をもって俳優引退宣言、今後は監督業をメインに活動すると語っている。

フィルモグラフィ
●=監督 ■=出演 ★=音楽

・半魚人の逆襲(1954)■
・世紀の怪物/タランチュラの襲撃(1955)■
・最初の女セールスマン(1956)*未公開■
・底抜け西部へ行く(1956)■
・二人の可愛い逃亡者(1957)■
・壮烈!外人部隊(1958)*未公開■
・荒野の用心棒(1964)■
・夕陽のガンマン(1965)■
・華やかな魔女たち(1966)■
・続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966)■
・奴らを高く吊るせ!(1968)■
・マンハッタン無宿(1968)■
・荒鷲の要塞(1968)■
・ベンチャー・ワゴン(1969)■
・真昼の決闘(1970)■
・戦略大作戦(1970)■
・ダーティハリー(1971)■
・白い肌の異常な夜(1971)■
・恐怖のメロディ(1971)●■
・シノーラ(1972)■
・荒野のストレンジャー(1972)●■
・ダーティハリー2(1973)■
・愛のそよ風(1973)*未公開●
・サンダーボルト(1974)■
・アイガー・サンクション(1975)●■
・ダーティハリー3(1976)■
・アウトロー(1976)●■
・ガントレット(1977)●■
・ブロンコ・ビリー(1980)●■
・ダーティファイター/燃えよ鉄拳(1980)■
・ファイヤーフォックス(1982)●■
・センチメンタル・アドベンチャー(1982)●■
・ダーティ−ハリー4(1983)●■
・タイトロープ(1984)■
・シティヒート(1984)■
・ペイルライダー(1985)●■
・ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場(1986)●■
・バード(1988)●
・ダーティハリー5(1988)■
・ピンク・キャデラック(1989)■
・ルーキー(1990)●■
・ホワイトハンター/ブラックハート(1990)●■
許されざる者(1982)●■
・パーフェクト・ワールド(1993)●■
マディソン郡の橋(1995)●■
・真夜中のサバナ(1997)●
・目撃(1997)●■
・トゥルー・クライム(1999)●■
・スペースカウボーイ(2000)●■
ブラッド・ワーク(2002)●■
・ピアノ・ブルース(2003)*未公開●■
ミスティック・リバー(2003)●★
ミリオンダラー・ベイビー(2004)●★■
・硫黄島からの手紙(2006)●
・父親たちの星条旗(2006)●★
・さよなら。いつかわかること(2007)★
チェンジリング(2008)●★
グラン・トリノ(2008)●■

人生は何を選択したかで決まる。

それは進路や結婚だとか大きなことだけじゃなくて、
毎日の些細なことのなかにもある、その一瞬一瞬の選択、すべて。

目覚めてベッドから出るときに、どちらの足から床に降りるか。朝食の目玉焼きの焼き具合はどのくらいにするか。どのシャツを着て、どのネクタイを締めて、どの靴を履くか。どの道を通って会社に行く?いつもの?それともあっちの道?ああ、電車の発車ベルが鳴っているけど、走れば間に合うかもしれない。走るか?それとも1本見送って次の電車が来るのを待つか?

picわたしたちが行動に起こす、すべての選択が人生を左右する。吉と出るか凶と出るか、それは道を決める要素となる。

ちょっと大袈裟かもしれないけれど、気が付いていないだけで、わたしたちはいつだって選択して人生を形成しているのだ。

今週上映する『グラン・トリノ』と『マディソン郡の橋』の登場人物は重要な選択を迫られる。長く短い人生においての、最大の選択。

その状況の前に佇むとき、きっと、自分のなかの自我というものが姿を消す。ほんとうに大切な決断をするとき、世界は霧が晴れたようにクリアに見え始めるのだと思う。

彼らの選択した答えを前に、見ているわたしたちの方が立ちすくんでしまうかもしれない。ただ受け入れるほかない、ただ見つめるしかない。だけれどそこに生まれるものがあるに違いないのだ。

彼らが下した決断。そのなかに何を見る?世界の縮図を見るも、無償の愛を見るも、これだってすべて、わたしたちの選択次第。映画はあなたの人生にくい込み、また新たな人生を形作る。

クリント・イーストウッド、79歳。

俳優で映画監督、映画プロデューサーであり、作曲家。カリフォルニア州カーネル市の市長を務めたこともある。主演作は45本。監督作は『グラン・トリノ』が29本目。

picガンマン、刑事、ラジオのDJにスパイ、西部ショーの座長、それからカントリー歌手に宇宙飛行士(しかも老齢の)。これまで、実に様々な役柄を演じてきたイーストウッド。

イーストウッドが今までに演じてきた男たちの表情が、この『グラン・トリノ』のウォルト・コワルスキーに重なって見えると、批評家たちが口を揃えて言う。

恥ずかしながら、わたしはイーストウッドが関わった映画は、数えるほどしか観ていない。だから『グラン・トリノ』のウォルト・コワルスキーのなかに、イーストウッドが演じてきた“彼ら”の姿を多く見出すことは不可能だ。それなのになぜだろう、『グラン・トリノ』を観終わったあと、主人公・ウォルトのなかに様々な記憶がひしめいている気がしてくるのだ。

しかめっ面をしているイーストウッド、銃を構えるイーストウッド、悪態をつくイーストウッド、女に弱いイーストウッド。スクリーンのなかに佇む、様々なイーストウッド。そして観客のなかに存在する、それぞれのイーストウッド。

わたしたちはこれからも、彼が映画を作る度に期待せずにはいられない。今度はどんな映画を見せてくれるの?イーストウッドの歩みは止まらない。

マディソン郡の橋
THE BRIDGES OF MADISON COUNTY
(1995年 アメリカ 135分 ビスタ・SRD) pic 2009年9月19日〜9月25日
■監督・製作 クリント・イーストウッド
■脚本 リチャード・ラグラヴェニーズ
■原作 ロバート・ジェームズ・ウォラー『マディソン郡の橋』

■出演 クリント・イーストウッド/メリル・ストリープ/アニー・コーレイ/ヴィクター・スレザック/ジム・ヘイニー

■1995年アカデミー賞主演女優賞ノミネート/1995年ゴールデングローブ賞作品賞・女優賞ノミネート

 

それは、この世に生まれてきた意味を教えてくれた4日間の恋。

 

picアイオワ州マディソン郡の片田舎。この地方独特の屋根つきの橋の写真を撮りにきたカメラマンと、小さな農場の主婦が出会った。ごく自然に、あまりにも完璧に、二人は恋に落ちた。まるで、生まれる前からずっと、相手に向かって歩いてきたかのように。

 

運命の相手と出会い、切ないほどに求め合いながらも、ともに生きることを選ばなかった男と女。その、たった4日間の恋を心の中で抱きしめて、二人は二度と会うことなく人生を終えた──。

 

「自分の気持ちに正直に生きること」が何よりも優先されてきたアメリカのラブストーリーの潮流に反し、世界中から涙と絶賛の声を得た、永遠のラブストーリー。ほしいものを手に入れることだけが愛ではないことを、そして、恋するものだけに与えられた、人生とひきかえにしてもいいほどの一瞬の切ない美しさを、この映画は教えてくれるだろう。


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グラン・トリノ
GRAN TORINO
(2008年 アメリカ 117分 シネスコ・SRD)

2009年9月19日〜9月25日 ■監督・製作 クリント・イーストウッド
■原案 デヴィッド・ジョハンソン
■原案・脚本 ニック・シェンク
■音楽 カイル・イーストウッド/マイケル・スティーヴンス

■出演 クリント・イーストウッド/ビー・ヴァン/アーニー・ハー/クリストファー・カーリー/コリー・ハードリクト

■オフィシャルサイト http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/

 

男は迷っていた、人生の締めくくり方を。少年は知らなかった、人生の始め方を。

 

pic妻に先立たれ、一人暮らしの頑固な老人ウォルト。人に心を許さず、無礼な若者たちを罵り、自宅の芝生に一歩でも侵入されれば、ライフルを突きつける。そんな彼に、息子や孫たちも寄りつこうとしない。

 

ある日、ウォルトの隣に住む少年タオが、ウォルトのヴィンテージカー<グラン・トリノ>を盗もうとして失敗したことから、二人の不思議な関係が始まる。タオを一人前にすることに喜びを見出すウォルト。ウォルトから与えられる労働で、男としての自信を得るタオ。しかしタオは愚かな争いから、家族と共に命の危険にさらされてしまう。彼の未来を守るため、ウォルトが下した決断とは──?


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