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今週は、1960年代が舞台のミュージカル映画の二本立て。
かたやダンスであり、かたや音楽であり、
この時代を青春時代として謳歌した世代の方も、
まだ生まれても無かった青春真っ只中の世代も、
すべての人におくる映画だ。

成長し、なやみ、励み、人生の充足感を手に入れる。
今も昔も変わらない普遍的なテーマ。
そこには恋愛があり、友情があり、出会いがあり、別れがある。

ヘアスプレー
HAIRSPRAY
(2007年 アメリカ 116分 シネスコ・SRD)
2009年1月17日から1月23日まで上映 ■監督・振付・製作総指揮 アダム・シャンクマン
■脚本 レスリー・ディクソン
■オリジナル脚本 ジョン・ウォーターズ(1988年映画版)/マーク・オドネル(ミュージカル版)
■作詞・作曲 マーク・シェイマン

■出演 ジョン・トラボルタ/ミシェル・ファイファー/クリストファー・ウォーケン/クイーン・ラティファ/アマンダ・バインズ/ジャームズ・マースデン/ブリタニー・スノウ/ザック・エフロン/ニッキー・ブロンスキー

初めてこの作品のスチールとキャストを見比べたとき、何度か目を疑った。どう見ても「ジョン・トラボルタ」と書いてある。写真はビッグサイズの女性。何と、トラボルタが女装?着ぐるみ?ものすごいインパクトだ。

それは、史上最重量級(?!)のシンデレラストーリー!

pic舞台は60年代のアメリカ。ヘアスプレー企業がスポンサーのテレビ番組、「コーニー・コリンズ・ショー」に出演することを夢見る16歳の少女トレーシー。ダンスだってオシャレだって申し分ない彼女には、1つだけ問題が…。母親エドナとそろってビッグサイズ、つまりおデブなのだ。自分のビッグさに何も気負うことなく天真爛漫に我が道を行くトレーシー。その反面、母親であるエドナは自分のサイズにコンプレックスを持っている。

トレーシーは偶然番組のホストの目に留まりショーへの出演が決まる。性格ブスな美人親子にライバル視され嫌がらせを受けるが、それをはねのけて頑張る姿が心を打つ。

人種や見た目に偏見も何も持たないトレーシー。人種差別反対デモに参加したことから警察に追われる身となってしまう。ミスヘアスプレーは誰の手に?

ストーリーに!キャストに!音楽に!誰もが満足度1000%のハッピーサプライズ!!

picスタンディングオベーション必至の感動大作。1987年、鬼才ジョン・ウォーターズ監督による伝説のカルトムービーとして世に出た『ヘアスプレー』は、2002年、ブロードウェイでミュージカル化。「ヘアスプレー現象」と呼ばれるほどの大ブームを巻き起こし、翌2003年、トニー賞8部門を受賞した。

ヒロインに抜擢されたのは1000人のオーディションで選ばれた文字通りのシンデレラガール、ニッキー・ブロンスキー。劇中の人々が楽しそうに踊っているので観ている側まで楽しくなってくる。そんな作品だ。



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アクロス・ザ・ユニバース
ACROSS THE UNIVERSE
(2007年 アメリカ 131分 シネスコ・SRD) 2009年1月17日から1月23日まで上映 ■監督・原案 ジュリー・テイモア
■原案・脚本 ディック・クレメント/イアン・ラ・フレネ
■音楽 エリオット・ゴールデンサール

■出演  エヴァン・レイチェル・ウッド/ジム・スタージェス/ジョー・アンダーソン/デイナ・ヒュークス/マーティン・ルーサー・マッコイ/ボノ/サルマ・ハエック

この上なくヴィヴィッド、リアルでいてマジカル。 ありえないほど新しいミュージカル・ワールドへのミステリー・ツアー!

ビートルズ尽くし、ビートルズまみれ。テーマは「BOY MEETS GIRL」。ビートルズについての映画ではなく、ビートルズの楽曲を使って60年代の若者の青春を描いた作品。

主人公の名はジュード。リバプールの造船工場で働いていたが、あるとき、アメリカにいるという父親のもとをたずねてアメリカに渡る。「リバプールといえばビートルズ」というぐらいのビートルズで有名な街だが、そこからすべては始まる。

pic主人公ジュードはアメリカでマックスという青年に出会い、その妹ルーシーと恋におちる。 ビートルズの曲、「ヘイ・ジュード」から名づけられたのであろう主人公の名前。恋人ルーシーの名もビートルズの楽曲に登場する。

全編通して流れる33曲。どれだけたくさん素敵な曲を作ったバンドなのだろう。偉大なバンドだ。

picロックシンガーのセディ、ギタリストのジョジョ、元チアリーダーで同性愛者のプルーデンスといった仲間たちとの出会い。ニューヨーク。 しかし楽しい日々は続かない。

徴兵令状を受けたマックスはベトナムへ。困難を乗り越えていく若者たちの生活を描き出す。 ベトナム戦争が激化し、反戦運動や黒人開放運動が繰り広げられる。ルーシーも反戦運動に参加する。ヒッピーカルチャー、ドラッグカルチャーが一世を風靡し、その中で絵を描くアーティストとしての道を模索するジュード。

picいつの時代も人が集まればカルチャーが生まれ、苦悩があり、喜びがある。「BOY MEETS GIRL」出会いこそ人生の宝探しだね。と誰かが歌ってたっけ。

監督はジュリー・テイモア。舞台版「ライオン・キング」でブロードウェイ・ミュージカルの常識を打ち破った天才演出家。今回はミュージカル映画に挑戦だ。200以上あるビートルズの楽曲の中から厳選した33曲。圧倒的だ。

(ラオウ)