第1回リュック・ベッソン特集 上映候補作品一覧

ニキータ
NIKITA
1990年 フランス 117分

■監督・脚本 リュック・ベッソン
■音楽 エリック・セラ
■出演 アンヌ・パリロー / ジャン=ユーグ・アングラード / ジャンヌ・モロー / チェッキー・カリョ / ジャン・レノ

■1990年セザール賞主演女優賞受賞




本編はカラーです。
STORY>>>
警官3人を殺したヤク中のストリート・キッド、ニキータは無期懲役の判決を言い渡されるが、その凶暴な生存本能を政府の秘密機関に目をつけられ、政府の秘密工作員、つまり殺し屋として生きていくことを強要される。最初は抵抗したニキータだったが、他に選択肢はなかった。3年の月日を経て美しい女殺し屋に変身したニキータは、パリの街を舞台に、要人たちを暗殺する。しかし、恋人と呼べる真に愛する男を知った彼女は、終わりのない死の世界と決別しようともがき苦しんで…

CHECK!>>>
初公開時、フランスで一大センセーションを巻き起こし、イギリスでは公開されるやいなや10日間で当時の外国映画の興行記録を塗り替えた。「凶暴な純愛映画」なんて言葉はもはや珍しくもなんともないが、この言葉は『ニキータ』が公開したときに初めて使われた言葉である。ベッソン初期作品に見られるタイトな演出が冴え渡る逸品。『レオン』と比較されがちだが、『レオン』よりも乾いていて、暗い。前半の緊張感、余韻を残すエンディング、単純に格好良い映画。
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レオン
レオン/完全版

LEON
THE PROFESSIONAL
LEON INTEGRAL VERSION

1994年 フランス/アメリカ

■監督・脚本 リュック・ベッソン
■音楽 エリック・セラ
■出演 ジャン・レノ / ナタリー・ポートマン / ダニー・アイエロ / ゲイリー・オールドマン



STORY>>>
レオン──完璧に仕事を遂行するニューヨーク一番の殺し屋。あらゆる感情を廃し、1日2パックの牛乳とトレーニングを欠かさず、自分と同じ様に根を張ることのない観葉植物に水を与えることだけを唯一の楽しみとし、"女と子供は殺らない"というルールを守り続ける男。この寡黙な男の元に、汚職警官に家族を殺された12歳の少女マチルダが助けを求めて逃げ込んでくる。復讐を誓う少女と、彼女を守ろうとするレオン。父娘のような優しさといたわりが交わったとき、二人の運命は急激にその方向を変え走り出した…。

CHECK!>>>
オリジナル版 (111分 / 日本公開 1995年3月)
『ニキータ』で掃除人ヴィクトルを演じたジャン・レノが、わずか数分の出演にもかかわらずこの人物にすっかり惚れ込み、ベッソンに脚本執筆を依頼して出来上がったのが『レオン』というのは有名な話。完全版で追加されたシーンは、レオンの人間くささがどうしても強調されてしまうため、オリジナル版のレオンのほうがプロフェッショナルなイメージは強い。リュック・ベッソンがハリウッドに進出した第一弾でもあり、それまでの彼の監督作品の中でも最高の成績を収めた。

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完全版(133分 / 日本公開 1996年10月)
オリジナル版公開時にカットせざるを得なかったシーンを、ベッソンの強い意志により新たに計22分追加。レオンと共に"実戦"に出るマチルダ。人としての感情を廃し、誰をも寄せ付けなかったレオンの衝撃的な過去の告白。幾重もの重い扉に閉ざされたその心の最後の鍵を、ついにマチルダが開け放つ瞬間──。ベッソンがどうしてもこだわった追加シーンは、二人の心の交流がメイン。それによって、観る者の胸に深く突き刺さったあのラストシーンを、さらに強烈なものにしてしまう。
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グラン・ブルー/オリジナル・ヴァージョン
グラン・ブルー/完全版

LE GRAND BLEU
LE GRAND BLEU: VERSION LONGUE
1988年 フランス

■監督・原案・脚本 リュック・ベッソン
■撮影 カルロ・ヴァリーニ
■音楽 エリック・セラ
■出演 ジャン=マルク・バール / ジャン・レノ / ロザンナ・アークエット / ポール・シェナー / グリフィン・ダン




本編はカラーです。
STORY>>>
1965年、ギリシャのキクラーデス諸島で8歳のジャックはエンゾと出会い、そこで二人は初めて潜りを競った。12年後の1987年、いまや一流ダイバーとなったエンゾは、稼いだ金をつぎ込んでジャックの行方を探していた。ジャックとダイビング選手権に出場して勝利すること、それがエンゾの夢だったのだ。一方ジャックは水族館のイルカだけを友として静かに暮していた。そんなジャックと出会ったニューヨーク生まれのジョアンナは、彼の不思議な雰囲気にひかれていく。やがてエンゾはジャックをシチリアの競技会に連れ出すが、そこでのダイビングでジャックに敗れてしまう。

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オリジナル・ヴァージョン(仏語 / 138分 / 日本公開 1998年8月)
最初に完成させた完全版を、「長すぎる」と言ってカットした、フランスでの劇場公開版。88年当時、アメリカや日本では『グレート・ブルー』というタイトルで120分の英語版が公開されていたため、フランスでのみ上映されていたバージョン(その後このオリジナル・ヴァージョンは、日本でも"グラン・ブルー10周年記念"として1998年に公開された)。オリジナル版・英語版・完全版と複数存在するヴァージョンの中で、ベッソン自らが「これこそが磨きに磨きぬいた、一生大事にしていきたい、心の一本」と表明しているこのオリジナル・ヴァージョンこそ、正真正銘の「完璧版」と言えるかもしれない。

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完全版(仏語 / 169分 / 日本公開 1992年8月)
オリジナル版公開時にカットされた49分の未公開映像を再編集したロング・バージョン。つけ加えられた未公開場面は、主人公のジャック・マイヨールとヒロイン、ジョアンナ・ベイカーの恋愛にまつわるエピソードが中心。同時にユーモラスな場面もいくつか追加され、ロマンス映画としても、また冒険ドラマとしても味わいが深まっている。

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