pic第八回 静かさや岩にしみいる蝉の声

半翅(はんし)目セミ科の昆虫--------その名はSEMI

 

本物を追求したその先にあるもの、それは永い眠りから覚めたあとの一瞬の生。芭蕉の句を読むまでもなく、静謐かつ荘厳な小さな命の痕跡を作品世界に昇華させたのが本作である。

森の中に迷い込んだ小さなウサギが何かを見つける。

その視線の先には何があるのだろうか?食べ物を見つけたのだろうか?何かに脅えているのだろうか?答えはウサギの中にある。誰もそれを知ることはできない。SEMI以外には・・・

.SEMIは木の上でそれをじっと観察する。かつて生きたこの夏の熱風を思い出しながら。けれどSEMIが鳴くことはもう二度とない。

 

私たちはその様子をオブジェのミニチュア世界で目撃する。


line
pic

ウサギと小鳥たち。

芭蕉の句「静かさや岩にしみいる蝉の声」

pic

蝉です。本物です。


もどる