夜の映画館に一人というのは、なんとも恐ろしい。
本来怖がりの私だが試写のため週に1度は、一人ここに残らねばならない。編集したてのフイルムをまわす・・。カタヵタという音と共に、写し出された往年の大女優。彼女は偶然にも昨日亡くなったのだ。美しい・・。私は彼女の圧倒的な美しさにため息をもらす。カタカタ・・。
しかし彼女の人間離れした妖艶さに、私はなぜか恐怖に似た感情をおぼえはじめた。カタカタ・・。フイルムが終わる。これで家路につける。ほっとして、席を立ち、トイレにむかった。扉を開け、私は思わずギャーッと悲鳴をあげた。なんとあの往年の大女優にそっくりの女が、オブジェの中、微笑んでいたのだ。これは単なる偶然なのか・・それともオギノ迷宮のなせる技なのか・・。
寄ってみました。・・・どすえ
はんなりとした作品である。
鶴、花、京美人・・なんだかめでたいものが3つ素敵に配置されている。
「慶び」・・。このネーミングセンスには恐れ入る。