ダイナミックで人工的な樹木と鳥たちがディズニーランドのジャングルクルーズを彷彿とさせる。
大樹を棲家とする2匹の鳥の巣に、木の実がちょこんと置いてあったりして鳥の生活も活き活きと感じられる。
ちなみにジャングルの中で温泉につかっているのは力士とサイ。
なぜに力士とサイなのかはオギノ迷宮の謎。
温泉の緑色は、バスクリーンではなく絵の具にておどろおどろしさを表現。
聳え立つ大樹は、北欧の神話体系エッダに描かれる宇宙樹ユッグドラシル。その大樹に休むのは、古今東西の伝承において太陽のトーテムを象徴する存在として語られる、猛禽の一族。正に命の泉たる温泉に遊んでいるのは、古来より生成発展の根源をなす所の宇宙力、つまりは「むすびのかみのを(結の神の緒」への奉仕者たる相撲人の中の絶対強者、横綱。
その隣には、仏陀により「犀の角のようにただ独り歩め」と、欲望やしがらみに打ち勝ち、独り決然として修行に励む修行者の姿として喩えられた獣、犀が位置するのである。大地から湧き出る命の水に神へとつながる存在達がその身をひたし、やがて水は宇宙を支える大樹の根へと吸い上げられる。その時太陽は沈む事なく世界を照らすであろう。オギノ迷宮とはつまり、全ての神話をつなげる空に掛かる虹の橋であり、箱庭に姿を変えた人間の祈りなのである。