【2021/2/6(土)~2/12(金)】『侠女 デジタル修復版』/『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿 デジタル修復版』/『山中傳奇 4Kデジタル修復・完全全長版』

『武侠』

日本でいう『時代劇』、
アメリカの『西部劇』。
興味のない人間にとって、
それらは既に形骸である。
郷愁すら感じ得ない昔話、
古の勧善懲悪。
ましてや日本人には
全く馴染みのない世界。
『武侠』と分類されただけで
関心の対象から外されかねない、
不遇なジャンルであると私は断言する。

しかし…、しかしだ。

華麗なる剣戟、
計算しつくされた映像美、
外連味溢れる登場人物、
アジア映画の巨星
キン・フーによる娯楽映画の完成形!

早稲田松竹 キン・フー監督特集。

敢えて言おう、武侠映画であると!!

(by オサム)

俠女 デジタル修復版
A Touch of Zen

キン・フー監督作品/1971年/台湾/180分/DCP/シネスコ

■監督・脚本 キン・フー 
■撮影 ファ・フィイン
■音楽 ウー・タイコン/ロ・ミン・タウ
■武術指導 ハン・インチェ

■出演 シュー・フォン/シー・チュン/パイ・イン/ティエン・ポン/ロイ・チャオ/サモ・ハン・キンポー

■第28回カンヌ国際映画祭高等技術委員会グランプリ受賞

© 1971 Union Film Co., Ltd. / © 2015 Taiwan Film Institute All rights reserved (for A Touch of Zen)

【2021年2月6日から2月12日まで上映】

復讐を胸に立ち上がるのは一人の優しき女剣士

明朝末期。書生のグーは、小さな村に母親と暮らしていた。ある日、店に現れたオウヤンという男に、住んでいるチンルー砦のことを聞かれる。近所を調べると、そこには美しい女性ヤンが越してきていた。時が経ち、グーとヤンの距離が縮まる中、二人の目の前に待ち構えていたオウヤンが現れ、剣を抜きヤンと戦い始める。なんとヤンは政府(東廠)に処刑された大臣の娘であり、唯一の生き残りだった。人相書を頼まれたことで事実を知ったグーは、姿を消したヤンを探し出し、彼女とその仲間を助けるために、兵法を使って東廠の追跡隊を罠にかけるが…。

近年のアクション映画の原点!「武俠映画」の頂点にして完成形、他の追随を許さない歴史的名作。

ジャンルを超えたそのあまりに美しい映像が世界中で賞賛され、1975年カンヌ国際映画祭高等技術委員会グランプリを受賞した本作。近年4Kデジタルリマスターにて修復され、2015年カンヌ国際映画祭クラシックス部門にて回顧上映された。

静と動、光と影、正と邪、善と悪、男と女、剣と拳と全てが対比となる構成。縦横無尽に自在に動きまわるカメラ。廃屋・原野・森林・山道と多彩に変化する舞台。何より、竹林の死闘は、シュー・フォンの凛々しさを加えて映画史上最も美しいシーンの一つとして、その後の武侠アクションに大きな影響を与え、それを模したシーンが多々登場するほどである。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』も『グリーン・ディスティニー』も、本作やキン・フー監督の作品群がなければ存在しなかったかもしれない。

本作の武術指導を兼ねるハン・インチェは後に「ドラゴン 危機一髪」でブルース・リーを演出。その片腕役になんと若きサモ・ハン・キンポーが扮する。キン・フー作品でのスタントをきっかけに多くのスターや武術指導者が育ち、今なお活躍中。

山中傳奇 4Kデジタル修復・完全全長版
Legend of the Mountain

キン・フー監督作品/1979年/台湾 ・香港/192分/DCP/シネスコ

■監督・製作・美術 キン・フー 
■脚本 チュン・リン
■撮影 ヘンリー・チェン
■音楽 ウー・ターチャン
■武術指導 ウー・ミンサイ

■出演 シュー・フォン/シルヴィア・チャン/シー・チュン/ツン・リン/ウー・ミンサイ/ティエン・フォン

■1979年金馬奨最優秀監督賞・美術設計賞・撮影賞・録音賞・音楽賞受賞/2016年ヴェネチア映画祭クラシック部門ワールドプレミア上映作品

©Central Pictures Corporation

【2021年2月6日から2月12日まで上映】

果てなき山中でくりひろげられる、生けるものと死せるものとの夢幻の闘い…

若き学僧ホーは、霊験あらたかな経典の写経を依頼され、仕事に集中すべく幽玄な山中の城跡を訪れる。しかしそこに棲まっていたのは、成仏できずにこの世を彷徨う妖怪たち。ホーを陥れ、死者の魂を解放すると伝えられる経典を奪おうとする悪霊と、そうはさせじと立向うラマ僧の道士。やがて、現世と霊界の境を超越した凄まじい戦いが勃発する。使われる武器は剣や弓矢ならぬ、太鼓やシンバルといったパーカッシヴな楽器の数々! 轟々と鳴り響くトランス・リズムの応酬のなかでやがて、妖怪たちの恐ろしくも悲しい過去が明かされてゆく……。

キン・フー監督唯一の、超武俠ファンタジー完全全長版。

アクション映画を芸術の域にまで高め、「俠女」で中華圏としては初めてカンヌ国際映画祭での受賞を果たし、世界に知られることとなった伝説の監督・キン・フー。その彼の最高傑作と言われる『山中傳奇』が、4Kデジタルで甦る。しかも、従来知られていた2時間版とはまったく異なる、3時間10分にもおよぶ完全全長版。キン・フーがイメージした『山中傳奇』の全貌がここに初めて明らかになる。

中国・宋時代の古典から想を得た本作は、キン・フー作品中唯一のファンタジー映画。とはいえ、もちろん流麗なワイヤーアクションが随所に盛り込まれ、特に後半のたたみかけるような展開は圧巻の一言。武器ならぬ楽器をもって闘い、激しいパーカッションのリズムが勝敗を決するという、あまりにも独創的なコンセプトを持っている点でも唯一無二の作品だ。

主演は、それぞれ『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』『俠女』にも主演しているシー・チュンとシュー・フォン。さらに人気女優で監督としても活躍しているシルヴィア・チャンが、主人公の学僧を救う絶世の美女を演じている。

残酷ドラゴン 血斗竜門の宿 デジタル修復版
Dragon Inn

キン・フー監督作品/1967年/台湾/111分/DCP/シネスコ

■監督・脚本 キン・フー
■撮影 ファ・フィイン
■音楽 チョウ・ランピン
■武術指導 ハン・インチェ

■出演 シャンカン・リンホー/パイ・イン/ティエン・ポン/シー・チュン/シュー・フォン/ミャオ・ティエン/シェ・ハン

© 1967 Union Film Co., Ltd. / © 2014 Taiwan Film Institute All rights reserved (for Dragon Inn)

【2021年2月6日から2月12日まで上映】

荒野に佇む一軒宿「龍門客棧」。強き者、ここに集結!

中国・明の時代。暴政を繰り返す宦官のツァオは、無実の罪で大臣を処刑し、彼の子供たちを流刑とした。だが、ツァオは子供たちからの復讐を恐れ、右腕のピイとマオを荒野の一軒宿「龍門客棧」に送る。二人が部下たちと待ち伏せする中、宿の主人を訪ねてシャオという男が現れる。彼を追い出そうとする刺客たちだが、シャオの剣技に圧倒される。そんな張りつめた宿に現れたチュウ兄弟、彼らこそ子供たちを助けるためにやってきた凄腕の剣客たちだった。暗殺を阻止されたことを知ったツァオは、とうとう自ら部下を引き連れて「龍門客棧」へ攻めに向かう。

映画史の中で「武俠映画」というジャンルを確立した、アジア映画界の巨匠キン・フーの歴史的大ヒット作!

1967年初公開当時中華圏だけでなくアジア一帯で大ヒットを飛ばし、キン・フー監督の名前を轟かせるきっかけとなった作品。キン・フー監督のアクションのスタイルは、女性剣士の活躍を踏まえ、俊敏且つ優美で華麗であるが、時にそれが残酷に見えてしまう時もあるほど極めてスタイリッシュ。限定された宿の中での権謀術策と武術合戦は、当時も今も娯楽映画としての極北である。

出演は、最強の謎の剣客にシー・チュン、頼もしいが少々単細胞の剣士にシェ・ハン、兄想いの実は女剣士のシャンカン・リンホー。対する最凶の宦官のパイ・インを筆頭に、鬼の形相で迫る副官にミャオ・ティエンと武術指導も務めるハン・インチェは東廠刺客に扮し、流刑者の中にシュー・フォンの姿も見られるなど共演陣も豪華。