【2022/11/19(土)~11/25(金)】『デカローグ 1話/2話』『デカローグ 3話/4話』『デカローグ 5話/6話』『デカローグ  7話/8話』『デカローグ  9話/10話』

デカローグ デジタル・リマスター版
(1988年/ポーランド/計587分/DCP)


なぜ人は生きるの――?
ままならぬ人生、それでもたしかに愛はそこにある。

「トリコロール三部作(『青の愛』『白の愛』『赤の愛』)や『ふたりのベロニカ』で知られるポーランドの名匠クシシュトフ・キェシロフスキ監督が1988年に発表した全10篇の連作集『デカローグ』。

もともとはテレビシリーズとして製作されたが、その質の高さが評判を呼び1989年ヴェネチア国際映画祭で上映。その後、世界中で公開され高い評価を受けた。映画監督のスタンリー・キューブリックが「重要な作品」と絶賛したほか、エドワード・ヤン、侯孝賢など数多くの映画作家たちがキェシロフスキの才能を羨望し賞賛した。

題名の「デカ」は数字の“十”、「ローグ」は“言葉”を意味し、旧約聖書の「十戒」を意味する。「十戒」を映画化するにあたって、キェシロフスキは巨大団地に住む様々な人々を各エピソードに分けて描くオムニバス形式を採用した。また、政治的なもの、当時の社会主義体制下のポーランドの現実の生活を想起させるものは映画からは一切排除し、人々の表側で起こっていることではなく「人々の内側で起こること」を描くことを重視したと語っている。

そうして、まるで人の心を顕微鏡で覗き込んだかのような、いまを生きる人々の孤独と愛の苦悩を、驚くほど細やかに鮮やかに描き出した珠玉の10篇が完成した。

「誰の人生でも探求する価値があり、秘密と夢があると私は信じているんだ。」――クシシュトフ・キェシロフスキ

■監督 クシシュトフ・キェシロフスキ
■脚本 クシシュトフ・キェシロフスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ
■製作 リシャルド・フトコフスキ
■撮影 ヴィエスワフ・ズドルト(第一話)/エドワルド・クォシンスキ(第二話)/ピョトール・ソボチンスキ(第三話/第九話)/クシシュトフ・パクルスキ(第四話)/スワヴォミル・イジャック(第五話)/ヴィトルト・アダメク(第六話)/ダリウシュ・クッツ(第七話)/アンジェイ・ヤロシェヴィチ(第八話)/ヤツェック・ヴゥアヴト(第十話)
■音楽 ズビグニェフ・プレイスネル
■美術 ハリナ・ドブロヴォルスカ
■編集 エヴァ・スマル

■1974年カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞受賞

■オフィシャルサイト
http://www.ivc-tokyo.co.jp/dekalog/

■パンフレット販売なし

©TVP – Telewizja Polska S.A.

Ⓐ デカローグ 1話/2話
Ⓐ Dekalog 1 & 2

クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品/1988年/ポーランド/1話:56分 2話:59分/DCP/スタンダード

【2022年11月19日から11月25日まで上映】

1話:ある運命に関する物語

<あなたは私の他になにものをも神としてはならない>

息子のパヴェウと暮らす大学教授のクシシュトフ。ある朝、パヴェウから「死って何?」と問われ、魂や神を信じないクシシュトフは戸惑う。ふたりは近所の池に張った氷の厚さを計算し、安全にスケートができることを割り出すが…。

■出演 ヴォイチェフ・クラタ/ヘンリク・バラノフスキ

2話:ある選択に関する物語

<あなたはあなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない>

孤独な生活を送る老医師の前にドロタと名乗る女性が訪ねてくる。彼女は危篤状態で入院している夫の容態を問いただす。彼女は夫を愛しながらも、別の男の子を身ごもっており、夫が助かるのであれば子供をおろすという。果たして医師の助言とは?

■出演 クリスタナ・ヤンダ/アレクサンデル・バルディーニ

Ⓑ デカローグ 3話/4話
Ⓑ Dekalog 3 & 4

クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品/1988年/ポーランド/3話:58分 4話:58分/DCP/スタンダード

【2022年11月19日から11月25日まで上映】

3話:あるクリスマス・イヴに関する物語

<安息日を覚えてこれを聖とせよ>

家族とイヴを祝っていたタクシー運転手のヤヌーシュの前にかつての恋人エヴァが現れる。彼女は現在の恋人が行方不明なので一緒に探して欲しいと頼む。ヤヌーシュは妻に嘘をつき、エヴァと共に聖夜のワルシャワを彷徨う。

■出演 ダニエル・オルブリフスキ/マリア・パクルニス

4話:ある父と娘に関する物語

<あなたの父と母を敬え>

父ミハウと暮らす学生のアンカ。ミハウが出張のたびに持ち歩くのはアンカへ宛てた手紙だ。しかしある日、アンカは自宅で「死後開封」と記されたこの手紙を発見する。そこには自分を産んですぐに亡くなった母の筆跡があった。

■出演 アドリアンナ・ビェドジェィンスカ/ヤヌーシュ・ガイヨス

Ⓒ デカローグ 5話/6話
Ⓒ Dekalog 5 & 6

クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品/1988年/ポーランド/5話:60分 6話:61分/DCP/ビスタ

【2022年11月19日から11月25日まで上映】

5話:ある殺人に関する物語

<あなたはなにものをも殺してはならない>

タクシー運転手を殺害した青年ヤツェック。若き弁護士ピョートルは尽力するが力及ばず、極刑の判決が下される。刑執行の日、ヤツェックはピョートルを呼び出し、自身の家族のことを語りだす。そして最期の時が訪れる…。

■出演 ミロスワフ・バカ/クシシュトフ・グロビッシュ

6話:ある愛に関する物語

<あなたは姦淫してはならない>

毎夜、向かいの部屋に住む美しい女性マグダを望遠鏡で見つめる郵便局で働く19歳のトメク。彼はあの手この手を使って何とか彼女への接近を試みる。トメクは遂にマグダに「愛している」と想いを伝え、デートをすることになるのだが…。

■出演 グラジナ・シャポォオフスカ/オラフ・ルバシェンコ

Ⓓ デカローグ 7話/8話
Ⓓ Dekalog 7 & 8

クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品/1988年/ポーランド/7話:57分 8話:57分/DCP/スタンダード

【2022年11月19日から11月25日まで上映】

7話:ある告白に関する物語

<あなたは盗みをしてはならない>

16歳で母となったマイカ。しかし彼女の母エヴァは世間体を気にして、娘をマイカから取り上げ自身の娘として育てていた。ある日マイカは娘を連れ出し逃避行に出る。母エヴァも2人の行方を捜す。果たして「母親であること」を巡る逃避行の結末は?

■出演 アンナ・ポロヌィ/マヤ・バレウコフスカ

8話:ある過去に関する物語

<あなたは隣人について、偽証してはならない>

大学で倫理学の教鞭をとるゾフィアは学長から学術交流でアメリカからやってきたエルジュビェタを紹介される。ゾフィアの授業に参加したエルジュビェアタはある質問を投げかける。それはゾフィアの封印していた過去を呼び起こすものだった。

■出演 マリア・コシュチャウコフスカ/テレサ・マルチェフスカ

Ⓔ デカローグ 9話/10話
Ⓔ Dekalog 9 & 10

クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品/1988年/ポーランド/9話:61分 10話:60分/DCP/スタンダード

【2022年11月19日から11月25日まで上映】

9話:ある孤独に関する物語

<あなたは他人の妻を取ってはならない>

性的不能に陥り、回復の見込みがないと知らされた外科医ロメク。自暴自棄になった彼を妻のハンカは「愛は心の中にあるもの。下半身じゃない」と慰める。しかし、彼女にはどうやら若い恋人がいるらしく、ロメクは疑念にかられていく。

■出演 ピョトル・マハリツァ/エヴァ・ブワシュチク

10話:ある希望に関する物語

<あなたは隣人の家をむさぼってはならない>

父の死で久しぶりに会ったアルトゥルとイェジーの兄弟。疎遠だった父が遺した切手コレクションにとんでもない価値があることを知った2人は、その莫大な遺産に驚愕する。2人は父が最後まで手にできなかった希少なコレクションを手に入れるべく奔走する。

■出演 ズビグニェフ・ザマホスキ/イェジー・シュトゥル